運命なんてクソ喰らえ 【桃赤】

2人で... ページ22

仕事も終わり、皆定時に帰っていく中
俺はある人を待つために休憩室へ寄った




「コーヒー...飲むかな、さとみさん」


好きな人のことを考えながら
ボソッと呟く




ハッと気づいて誰も居ないことを確認する




良かった。誰も居ない





別に同性を好きになることに偏見も無い世界だけど
こんな事聞かれたら、それネタして何されるか分かんないからね




「さとみさんまだかな...」
ギュッ
『おまたせ、ただ、少しこのままで居させて...』
「はい...」





いきなり後ろから現れたさとみさん
後ろから抱きしめられて
そのままの状態でもうちょっとこのままって...
俺にはご褒美なんですが...？




『先方の木ノ内さんの匂いがする』
「ｯ...すみませ」
『いや、ごめんな、付き合ってもないのに嫉妬なんかして』
「へ...？」




数時間前の俺は一体どこに行ったんだろうか
こんな気持ちの状態で会いたくないと言っていたはずなんだよ
なのに、結局本人に会ったらどうでも良くなってしまうのだろうか
恋は盲目ってこういうことなのかな




『莉犬、俺がこれからする事に恐怖を感じたらすぐにでも突き飛ばして逃げてくれ』
「逃げ...？んっっ」



さとみさんが俺にキスをしてきた
恐怖心なんてなくて
でも、さとみさんのキスは
強引で、でも優しくて
すごく、幸せだった

一緒に...？→←嫉妬なんて

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