ボクらのmemory…3rd【JW】

#ひゃくじゅうご ページ29

神山side


俺とAは今、喫茶店に来ている


神「ここな？Aは覚えてへんかも知れんけど、俺とシゲとAの秘密の所やってん」



『え、そうなの？』



神「うん笑、いまでもよー来るで？シゲとかは、悩みがあったらしょっちゅう笑」



『そうなんだ。』

周りを見渡しているA



神「俺から話すことはあんまり無いなぁ、ほとんどみんなから聞いてるやろ？」



『うん笑でも、私聞きたいことある』

何かを覚悟したように一回深呼吸をしてからこう続けた


『私が記憶を無くしてからの日々を教えて欲しい。』



神「え…」





『みんな、ほとんど何も言わないの。私がWESTで記憶を無くしてからの日々。だから、神ちゃんに教えて欲しい。』




久しぶりに見た顔は笑ってる顔でもなく泣いてる顔でもなく、ただ、俺を見つめる真剣な顔だった




神「分かった」





コーヒーをひと口飲んでから



俺は話し始めた。



神「記憶の無くしてからのAの事を考えてWESTは活動休止にすることになったんや。せやけどA、自分が辞めるから活動休止はしないで欲しい！って社長に言ってん。それが社長に響いたみたいでさまた８人で続けられることになってん。最初は戸惑ってたAやけど、少しずつ俺らに笑うようになって、特にシゲとは、前以上に仲が良かった。まぁシゲがAのそばにいるって聞かへんかったし笑」








神「せやけど、やっぱり怖いよな、今日の記憶が明日には消えてまうこと。A、ずっと怯えててん。体を傷つけてまうくらい。俺らの前で無理をさせてまうくらい。そのあと、入ってきたなつきとは上手くやってたように見えたけど、、、ある日突然Aは俺らの前から姿を消してん。それで、、今に至る…みたいな」






そこまで話終えると




『そうだったんだ。。やっぱり私は怖かったんだ』



下を向いてるからAが泣いてるのか平然としているのかは分からへんけど、、声は沈んでいた





『私、今の自分も過去の自分も分からない。幸せ…だったのかな。私、変わっちゃったかな？』



不安そうな目で俺を見つめるA


目を合わせると俺の胸は張り裂けそうになって





神「変わってへんで、A。ほんまに。今、分からんくてもいつか分かる日がくる。幸せだったって事。大事なことはずっと変わらないはずやから」





うんうんと声を出さず頷くA


俺はただ、Aの背中をさするだけだった

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