【ツイステ】空っぽのポーション瓶 (ページ33)

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闇深プリフェクト！ページ33

「お前さん、ちょっと話を聞いてきてやったらどうだ？」

『ユウの話を？』

「ああいう時は人に悩みを聞いてもらうだけで気が楽になるもんさ、ほら！そうと決まれば行った行った！」

『はあ!?まだ行くなんて一言も……』

.「A……？」

見つかったあ……

そそくさと退散していくゴースト達、散々私で遊んどいて最後にはポイッかよ！塩撒いたろか!!

『あ、あーえっと、に、入学おめでとう…!!』

.「時間差激しくね？何？1人時間差？」

『あーうん。うん、そうだね』

頭真っ白のまま、ぎこちなくユウの隣に座った。

ちょ、誰か至急、どうすればいいか教えてください。

悩みを聞くって何!?

てか、ゴーストの方が経験豊富でしょ!?こちとら生後二日ぞ!?

『…ぬ、……ぬぅぁぁぁあああ!!!』

.「え、何？」

『ごめん発作』

.「はい？」

そもそも、悩み事って何？私が聞いてどうすんの？それに、ユウは私にそれを話したいのか……？

唸る私を横にユウが突然口を開いた。

.「俺さ、外見は爽やかな優男。だろ？けど、外見と中身がつり合ってないんだよね。」

『え、それ自分で言う？』

突然何を言い出すのよこの子。

どこから湧いた自信かは知らないが、でも言われてみれば確かに、ユウの第一印象はそうだった。ユウもその爽やかな優男としての対応をしてきていたわけだし。

まあ鉱山での一件でそれは本性ではないと知ったけど。

ユウは自分で優男を名乗った後、「顔もイケメンだし」とつけ加え、自信満々に笑って話しているかと思ったが、

表情は意外にも、自嘲するような薄笑いを浮かべていた。

.「人間見た目が八割。元々いた世界で俺は、周りが期待する俺のキャラを否定しないままここまで生きてきた。だから、本当の俺として生きる場所は学校にも家にもなくて、息が詰まるほど苦しかった。

俺の本性は真っ黒だって言うのに……」

あ、腹黒いところも自覚済みなんッスね。

.「だから今日、エース達の前で素で居られたのは新鮮を超えて違和感あんだよね」

静かに天井を仰いだユウはとても切なげだった。

.「俺もさ、ここに来るまでのことを覚えてても、“優男のユウ”としての思い出しかないから、実質“俺”の思い出は誰ともないわけで、元の世界に未練らしい未練もないって言うかさ……」

呟かれる言葉を聞いていて思う、なんというか……闇が深い。