職務オネスト！ ページ17
学園長は私が女だと理解すると、何やらブツブツと考え始めた。
「男子校に女性が……うーん……記憶もなく、帰る場所もないあなたをここから追い出すことは優しい私には到底できませんし……(そもそも、A君は『闇の鏡』に選ばれてやってきた、それはどちらかと言えばこちらの問題。それをあまりおおごとにしたくありませんし)｣
『漏れ出てますよ、大人の事情が』
「……あ!!なんだ!簡単なことじゃないですか！｣
『うわ、聞く前から嫌な予感醸し出してるのですか……』
「まぁまぁ聞いてくださいよ。ゴッホン……
このまま普通に過ごせばいいじゃないですか？｣
『ほらぁ!!』
何を持ってしてそんな笑顔になれるの？教えておくれよ学園長。
「まぁ、簡単に言えば、普通に過ごしていてもあなたが誰も女だと誰も思わないでしょう？ということです！｣
『もろ悪口じゃん!!泣きますよ!?』
「まあとにかく、ばれなきゃいいじゃないですか」
学園長がそれ言ったらこの学園おしまいだと思う件について。
「勿論私も手助けはしますよ
しかし、いいですかAさん」
『はい？』
学園長の声が少し低くなった。
「真面目な話、同じ寮のグリム君とユウ君は仕方ないとしましょう。ですが、他の寮生にバレては君の身が危険です。きっと君はここに居れなくなるでしょう。そうなれば私も庇いきれません。いいですね？
くれぐれもバレてはいけませんよ？」
『わ、わかりました……』
こんなシリアスな場面でふと思ってしまった。
この人、ちゃんと学園長なんだなって、
「なにか今失礼なこと考えませんでしたか？」
『イエナニモ』
「……まぁいいでしょう、
さぁ、窓拭きに大食堂に行きますよ！」
『はーい』
グリム達ちゃんと掃除してればいいけど……
違う。今のは違う。決してフラグ発言とかじゃない。
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作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2020年8月16日 3時
