お前ら、はよ付き合え【風丸一郎太】 (ページ37)

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36 バレンタイン♡ ページ37

ついにやってきた…バレンタイン

去年は、机や下駄箱に沢山のチョコレートで紙袋必須な彼が…今年はどれほど貰うんだろうか…
仮に、女子生徒合計512人から貰ったら複雑な気分だな…

『一郎太おはよう今日は頑張ってね』

「何のことだ？」

『だって、今日はバレンタインだよ。ほら、紙袋！』

私は一郎太に大きい紙袋を渡そうとするが、彼は
「いいんだ」と言って断る。
いやいや…今年の方が目立ってるから絶対多いんだよ

「もしかして俺のイナン見てなかったか？」

『え？』

私は急いでイナンで一郎太の通知を確認する。
実は、昨日から他の子が一郎太にアタックするんだろうなとモヤモヤがあって確認出来ていなかった。通知内容は…

［今年はAからのチョコレートだけ絶対に欲しい。
良ければ作って欲しい］

「分かったか？で…Aは俺に渡すものはないのか？」

一郎太は私と繋いでいない方の左手を私の前に差し出す。
おそらくアレが欲しいんだろう

『こんな事言うのも何だけど一郎太はモテるし優しいから他の子たちから貰うんだろうと思ってたの…
だから、少しモヤモヤしてたんだ…でも』

私は鞄の中から赤いリボンでラッピングされたものを渡す。

『私のチョコ受け取ってくれますか？』

「ありがとう！ Aのチョコレート嬉しいよ」

渡せて良かった… あのね、一郎太がいつも笑顔で私のことを見つめてくれるその姿ねすごく好きだよ…