王様に愛された神様 3 (ページ32)

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初のご対面だページ32

目の前には、Aがいた。
サングラスを付けて、露出の激しい服を着て、まるで彼女では無い様だった。

何より驚いたのは、吸盤がタコになっている事。銀では無く、血の色になっていた。

サングラスは恐らく彼女の視線の方向に向かって光っている。今は真っ直ぐ向いている。

「A、思い出せ！
お前は路地裏に倒れていた。そこで、オレらは知り合ったんだ。分かるか⁉」

オレはヤケクソになって叫ぶ。
彼女は鼻で笑って、こう言った。

「なに？路地裏？それはただの事故でしょ。
ま、そんな事一々言わなくていいね。お前らは今すぐここで死ぬんだから」

ほぅ……。
そこまで自信があるとは。

お前の中にある悪を全て取り除く。そうして、元のお前と共にタコワサを倒す。

お前は今は悪だ。
そしてその悪は調子に乗り、王と呼ばれたこのオレに歯向かったのだ。

その罪は今すぐここで払ってもらおうか。
オレはAに銃口を向ける。

「お前はお前ではない。
もしやりたいと言うのなら、やってやろう。お前が元の姿に戻るまではな……」

そして、試合は始まった。
本当はこんな事に時間を使ってはいられない。

だが、Aの為になるのなら。
どんなに過酷な内容でも立ち向かう。

それが王の定めだからな。
案の定、Aは弱かった。

まだ試合もまともにしていないと言うのに。
何大きい口を叩いているんだ、偽A。

「くっそぉ、強いな、エンペラー！」

「当たり前だ」

オレは、ただただ彼女のサングラス越しにオレを見るその濁った目を見ている。

その後ろには、呆然と立ち尽くすゴーグルと、仁王立ちをするスカルがいた。