王様に愛された神様 3 (ページ19)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:18,174 hit

罠に落ちる神様ページ19

「ま、サービスって奴だ。
どうだ？買う気になったか？」

私は問答無用で「はい！」と答える。
明日からもタコと戦うんだ、眠らなければ。

「じゃあ、やるよ。はい
お買上げ、どうもありがとうな。
じゃあ、早速かけてみてくれよ、楽しみだ」

私は眼鏡をかけた。
その途端、頭がぐるっと一回転した気がした。

これが、眠くなった象徴？
でも、眠りたくはならない、どうして？

「おい、それだけじゃあ眠れねぇぜ。
その端にあるちっこいボタンを押してくれ」

セールスマンの人は私の心を見事に読んだように言う。そうだった、ボタンボタン。

私はボタンをきちんと押す。
セールスマンの人はニコニコしながら見てる。

すると、身体が苦しくなる。
何かを押さえつけられてる、締め付けられる！

「はあっ、はあっ、はあ……っ‼」

体の中の何かが動いている。
やがて、自分のゲソの色がおかしくなっている事に気づいた。あ、赤い。ゲソが赤い。

それに、外側に吸盤が付いていく。
緑色の光る筋まで、あれ？何で……？

「案外、容易く引っかかってくれたよな。
さあ、お前も今日からタコの仲間入りだ」

な、何を言っているの……？
首を絞められるような苦しさに私の目からは涙が段々と溢れて来た。

「うっ……あぁっ、何で……っ」

目の前には鏡がある。
その鏡には、自分じゃない自分がいた。

目の周りが紫色になっている。
目の中は、怪しく光る黄緑色……！

「はあっ、はあっ、はあっ、
苦しい、誰か助けて……お願い……！」

「残念だね、さっきも言った通り、眠りは皆んな深いからね、そんな程度の声じゃ起きない」

「ぐっ、あぁっ……！」