崩壊✦コバルトアンクル【コロイカ】

2-X. :‖ ページ29

……。

……。

……。

……。


どこで間違えたのだろう。


もっとボクが強ければ、あの時手を差し伸べる勇気さえあれば……。


例えそれが全部マボロシだったとしても。


ここで死ねるなら、みんなに逢えるなら……本望だ。


この世界は……ボクが思っていたよりずっと、



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　雨は、すっかりあがっていた。
　空には虹が架かり、真っ白にきらきら輝く太陽が眩しい。

「スミカケッ！ スミカケ……やだよおっ……！！」

　オレが元気になった時には、スミカケは既に死んでいた。

　地面に落ちていたスミカケのブルーパールの律者コアはコズミックが回収してしまった。



　……また、駄目だった。

　オレが弱いから、何も解決できなかった！
　グローブの時と何も変わらなかった！ オレは……オレは！

「うわああああああああああっ！！！」

　地面を殴る。
　ぽろぽろ涙もこぼれて、悔しくて悔しくて仕方なくなる。



　……律者は、全部で14人いると言われている。
　そのうち2人が死んだ。つまり……文明全てを滅ぼす【終焉の律者】が降臨するまであと12人。

　ハイカラスクエアは特に、最近は色々な地区で機械の開発が進んでるから……きっと律者の誕生ペースは早くなる。


　グローブからスミカケは千年だった。

　ならば次はきっと、五百年で崩壊が訪れるだろう。

　その日まで、オレは何をするべきなのか。


　天を仰いで、もういない二人に、そしてその仲間たちに訊いてみる。
　返事は……来るはずがない。


　オレは、また大切な友達を失った。
　また守れなかった。



　時々考えることがあるんだ。
　崩壊が存在しなかったら、オレ達はどんな暮らしをしていたんだろう？ って。

　もしかしたらこのアンクルを使って【陣取りゲーム】なんてやったら面白そう。

　オレだったら、色んなヒトのズボンを下ろして回っちゃうかも。みんなの反応、絶対おもしろいだろうな。


「……」


　目の前の惨状が、オレにそんなくだらない妄想はやめろ、と言っているようだった。

　……どうしようもなく虚しかった。



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「コズミック……アイツ、またやりやがったな！」

「×××様、落ち着いてくださいませ！ どうせハーキマーは命の事なんて考えていません。秩序の為なら悪魔にだって魂を売る連中です」

　そのインクリングは机を叩いた。


「オレ達……【ヘリオドール】が矯正してやらねぇとな」

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