桜麗華学院の〈桜国〉

15話 ページ41

数分後、第三ゲームのルールを読み上げる。


『第三ゲーム 鬼ごっこ

ルール→五人中二人が鬼になり、子を追いかける。

鬼は子に触り、「捕まえた」と言う事で鬼を移す事が出来る。ゲームの時間は一時間。

最後まで鬼だった二人が復活の権利没収。
勝ち上がった者は決勝戦へと進める。

また、最初くじびきで鬼を決めるので、誰が鬼なのかは分からない状態でスタートする。

【臨時追加ルールあり】』


───Side赤井

正直言って、不安だ。
俺は足が早いからいいが……。

ちら、とのほほんとしている花蝶の方を見る。
あいつ、どれぐらい足が速いんだ？まあいい。

このゲームは俺さえ勝てればそれでいいんだ。


それに、第一は裏切り者、第二は心理戦、そして第三は臨時追加ルール、か。全く、女王は何なんだよ。

人が怒り狂い、悲しみに暮れるのを愉しむのか？
それだとしたら、あいつは【悪魔】そのものだ。


質問タイムが終わった後、俺らは校庭へと連れて来られた。そして、カードを渡された。

「そのカードの裏に貴方達が鬼なのか子なのか、書いてあるわ。私も中身は見ていない、大丈夫よ」

「か、カードを見終わったら僕の所に持ってきて下さい、あ、えっと、はい……」

あれは、門番の鳳凰か。
ケッ、あんな奴が桜国かよ、笑わせるぜ。


カードが配られた。

中身は──鬼。


ああ、そうか、鬼か。
ならばぎっちりと誰かを痛めつけてやろうか。

そうだな……はは、はははは！

腕が鳴るぜェ……。

16話→←14話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す