桜麗華学院の〈桜国〉

6話 ページ31

Side神田

「とにかく、一つでも本物を見つけよう！そしたら、偽物との区別が付くよっ？」

わたしは神田 敦子。子分の華子ちゃんとららちゃんを連れて、今は職員室前を歩いてる。

流石に裏切り者はいないと思うけど……。もしもの時はわたしが裏切り者になってやる。

「ねえねえアッちゃん。本物と偽物が一枚ずつあったら、どっちが本物になるの？」

「いい質問ね華子ちゃん。それは……考えてない！ただ、そこら中に散らばってる方が偽物かな」

それに、

学院に四つしか無いのにそれを全て集めなきゃいけないのなら、他のチームがひとつでも持ってたら……

奪うしかないの？そうだよね。

わたしは誰を裏切ろうと勝ち上がってみせる。だからその為に仲間を今は信じるんだ。

────side夜桜

「──神田チームは仲良しね。それに、桜の花びらの数について深く考えているわ、流石ね」

手のひらの中の四枚の本物の桜の花びらを眺める。そう、学院中に桜の花びらがあると言ったわね。

それを私が持っているとは誰も言っていないけれど。
だから、誰がどう足掻いても勝者は現れない。

ならば何を待つのか？
そう、裏切り者の出現よ。


そして、このゲームを盛り上げてくれる存在、『ジョーカー』。

数々の希望者の中から心理学者の息子の『水琴 悠斗(みこと ゆうと)』をジョーカーにしたわ。

ジョーカーは各チームを周り、裏切り者の出現を促すと共に、偽の情報を伝え続ける。

さあ、ゲームはまだまだこれからよ。
私と生徒を楽しませなさい……？

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