魅惑の赤い糸＊Summer (Daiki.A)

15: 一言で分かった ページ17

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ギュって瞑っても来ない痛み。
ぱっちりと開けるのは勇気がなくて、薄く目を開けてみるけど。

お兄ちゃんの顔しかなくて。























_____ペチンッ







「......っへ、」





頬への小さな小さな痛み。

そして頬に大きなお兄ちゃんの手が添えてあった。
さっきと同じように頬を叩かれたのに、痛みは違うし暖かい。


暖かいソレは私の目をパチパチさせた。














そしてすぐにちぃちゃんの手も伸びて来て、
おでこに本気のデコピンをしてきたの。







「......っ！たぁ！」





すごく痛くておでこをさすった。















知念「残念でした。生憎、僕は宏太みたいに優しくないからね。
…っもう、せっかく人が親切にしてあげたのに」



「…っう、ごめんなさい...」


知念「ぜーんぜん。親切にしたのに逆ギレされて悪役にされたこと、全然怒ってないから」

「根に持ってるじゃん！」





ちぃちゃんらしい。

暖かいよりも痛い方がちぃちゃんらしくて、私は嬉しかった。
そして、お兄ちゃんの方を見て向き合う。


なに言おうか迷ってたらお兄ちゃんから口開いて。



















宏太「.....ったく、心配かけんな」





真剣な顔から、ふにゃって笑ったの。

顔と言葉がミスマッチだったけど、嬉しくて。
やっぱりお兄ちゃんは世界一なんて思っちゃった。


その一言で分かったの。

もう仲直りしたってこと、お兄ちゃんも私も。

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