真っ赤な金魚 (ページ10)

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泣き腫らした次の日。
学校へ行く元気はなかった。
1日中寝ていたけどそれも嫌になり気分転換で家を出た。
帰宅中の生徒がぞろぞろと歩いている。

「ねえ。」

聞いたことのない声に振り向いた。
見たことある顔。嫌な予感がした。

「今1人？なにしてんの」

女遊びで有名な神宮寺ってやつだ。
先輩と同い年だから2個上か。よりによって面倒くさいやつに話しかけれたと思った。

「帰るんです。すみません。」

そのまますり抜けて歩こうとした。
その瞬間腕を掴まれた引っ張る。
神宮寺の顔が至近距離。ちゃんと見たら整った顔だ。神宮寺が口角を上げた。

「暇なら遊ぼうよ。」

誰がてめえみたいな汚れた男と遊ぶか。
なんて一瞬は思ったけど、もうなんでもいいやと思えてしまった。
先輩には嫌われたし私が汚れても誰も見ない。

「いいですよ。」

嫌がると思っていた神宮寺は最初はびっくりしていたがすぐに悪い顔になるのが分かった。
あー、私はこんな男に汚されるのか。
大事な処女をこいつに奪われるのか。
初めては好きな人が良かったな、なんて綺麗事か。
不思議だが怖くはなかった。
そのまま神宮寺について行った。

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