検索窓
今日:21 hit、昨日:26 hit、合計:22,888 hit

罪と希望 ページ43

〜数時間前〜

家に戻った私は荷物を置き、花屋に向かった。
花束を持ち、私は街を見渡す事が出来る丘に向かう。




「今年も来ましたよ」



石碑しか建てられてない丘に着いた私は、そこに花束をそっと置いた。



「……」




モ『祖国、我らは貴女の為に戦います!』



『嬉しいです……ありがとうございます』




私の為を思うのでしたら、どうか消えないで欲しい……




私の為に命を落とさないで欲しい。




救えたはずの命すら救えない私を許さなくていい。




-私を恨んでるのだからな-




私が消えるまで、




-一生-




「-消えない罪を償おう-」





手を合わせた後は、再び家に戻り袴から浴衣に着替え、髪を下ろしその場に寝転がる。




カーテンも開けず、電気も付けず……暗い部屋で数日静かに過ごす。






ドンドン


「誰‍?」




家に戻って2日後、突如玄関の扉が叩かれる。



無視しておけば帰るだろう、私は音を無視し目を閉じるが……




ドンドンドンドン




音はどんどん大きくなる。
これ以上大きくなったら扉が壊れる。
私は少しイライラしながら扉を開ける。




「どうして此処に来たんです‍?」




米「やるべき事をしに来たんだぞ」




玄関の扉を開けると、アルフレッドさんがいた。




「帰って下さい」




米「Aも一緒にね」




「1人で帰って下さい。……1人にさせて下さい」




そう言い扉を勢い良く閉め居間に戻る。




「っ……」




アルフレッドさんが家に来るなんて予想していなかった。
鬱陶しい反面もあったが、半分嬉しい気持ちもあった。




けど、数日間1人で居たい。
兄さんの家に戻りたいけど、言葉で傷つける。
兄さんやアルフレッドさんを傷つけ無い為に……




-矢張り、お前あの小僧が好きなんだな-




「……そうですよ、悪いですか?」




-また悲劇を生み出すのか?お前のせいで失うモノは増える-




「失う事は怖いですよ。けれども、時代は変わった。罪を償いながらまたっ……」




言葉を続けようとした時だ、軍服の私は私を押し倒し首を絞めた。




-巫山戯るな。私は私がした事を後悔しているんだ!それなのに貴様はッ-





「そんな事…私が1番知ってるッ…1番分かってる」




-分かってないんだ!また悲劇を生み出す前に私がお前を!-




絞めつける力は強くなる。
苦しくなり意識を離しそうになった時、縁側の引き戸が勢い良く開きアルフレッドさんが入って来た。

救いの手→←誰も居ない家



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
57人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 粟雨さん» 面白いと言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月2日 21時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
粟雨(プロフ) - すっごいおもろいです!毎日楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2021年9月2日 19時) (レス) id: 405b174d44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 蟻籠さん» わわっ!大好きと言ってくれて嬉しいです!!更新頑張っていきますね (2021年8月21日 16時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
蟻籠(プロフ) - 大好きです!めりかわ…。更新、頑張ってください! (2021年8月21日 16時) (レス) id: 97f7efefc5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年8月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。