罪と希望 ページ43
〜数時間前〜
家に戻った私は荷物を置き、花屋に向かった。
花束を持ち、私は街を見渡す事が出来る丘に向かう。
「今年も来ましたよ」
石碑しか建てられてない丘に着いた私は、そこに花束をそっと置いた。
「……」
モ『祖国、我らは貴女の為に戦います!』
『嬉しいです……ありがとうございます』
私の為を思うのでしたら、どうか消えないで欲しい……
私の為に命を落とさないで欲しい。
救えたはずの命すら救えない私を許さなくていい。
-私を恨んでるのだからな-
私が消えるまで、
-一生-
「-消えない罪を償おう-」
・
手を合わせた後は、再び家に戻り袴から浴衣に着替え、髪を下ろしその場に寝転がる。
カーテンも開けず、電気も付けず……暗い部屋で数日静かに過ごす。
・
ドンドン
「誰?」
家に戻って2日後、突如玄関の扉が叩かれる。
無視しておけば帰るだろう、私は音を無視し目を閉じるが……
ドンドンドンドン
音はどんどん大きくなる。
これ以上大きくなったら扉が壊れる。
私は少しイライラしながら扉を開ける。
「どうして此処に来たんです?」
米「やるべき事をしに来たんだぞ」
玄関の扉を開けると、アルフレッドさんがいた。
「帰って下さい」
米「Aも一緒にね」
「1人で帰って下さい。……1人にさせて下さい」
そう言い扉を勢い良く閉め居間に戻る。
「っ……」
アルフレッドさんが家に来るなんて予想していなかった。
鬱陶しい反面もあったが、半分嬉しい気持ちもあった。
けど、数日間1人で居たい。
兄さんの家に戻りたいけど、言葉で傷つける。
兄さんやアルフレッドさんを傷つけ無い為に……
-矢張り、お前あの小僧が好きなんだな-
「……そうですよ、悪いですか?」
-また悲劇を生み出すのか?お前のせいで失うモノは増える-
「失う事は怖いですよ。けれども、時代は変わった。罪を償いながらまたっ……」
言葉を続けようとした時だ、軍服の私は私を押し倒し首を絞めた。
-巫山戯るな。私は私がした事を後悔しているんだ!それなのに貴様はッ-
「そんな事…私が1番知ってるッ…1番分かってる」
-分かってないんだ!また悲劇を生み出す前に私がお前を!-
絞めつける力は強くなる。
苦しくなり意識を離しそうになった時、縁側の引き戸が勢い良く開きアルフレッドさんが入って来た。
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渚(プロフ) - 粟雨さん» 面白いと言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月2日 21時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
粟雨(プロフ) - すっごいおもろいです!毎日楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2021年9月2日 19時) (レス) id: 405b174d44 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 蟻籠さん» わわっ!大好きと言ってくれて嬉しいです!!更新頑張っていきますね (2021年8月21日 16時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
蟻籠(プロフ) - 大好きです!めりかわ…。更新、頑張ってください! (2021年8月21日 16時) (レス) id: 97f7efefc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2021年8月18日 17時