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兄と妹 ページ38

日「只今戻りました」



ポチくんの散歩を終えて家に戻ると、玄関には何時ものようにアルフレッドさんの靴があった。
けれど家の中はとても静かだった。
何時もならば……




米『菊〜!おかえりなんだぞ!』




『アルフレッドさん廊下走らないで下さい』




などと言った感じの会話が聞こえるんですけどね。
そう思いながら居間に向かうと……




日「おぉ!!コレは」




私は顔を赤くしてしまった。
だってアルフレッドさんがAを抱きしめたまま眠ってるんですよ!
見てる私が恥ずかしい位です。





日「夏場ですけど、風邪を引いてはいけませんからね」




私は居間を1度離れ寝室から大きめのタオルケットを持って来て2人に掛ける。




日「眼鏡も外して机の上に置いときますか」




アルフレッドさんの掛けてる眼鏡をそっと外し机の上に置く。
次いでに資料も纏めて風に飛ばされないようにテレビのリモコンを置いた。
コレで良いですね。



「ん……」





日「あ、起こしてしまいましたね」




「兄さん、戻って来てたのです……ね゙っ」




アルフレッドさんに抱きしめられてる事に気付いたAは固まってしまった。
そして私の目を見つめ、何も言わずに訴えて来た。
言いたい事は分かりますよ。
私はアルフレッドさんの腕をそっと動かしAはそこから抜け出した。




「ありがとうございます。つい眠ってしまって」




日「いいえ、アルフレッドさんは嬉しそうですよ‍?」




「……」



Aは何も言わずアルフレッドさんの顔を見る。
そして表情を曇らせて私に言った。




「兄さん、私は…」




日「何も言わなくてもいいですよ。Aを助けられない兄を許して下さい」




「大丈夫ですよ」




と言うとAは私をそっと抱きしめる。




「私は兄さんに助けられてますよ」




日「A……」




苦しいのは、悲しいのはAの方なのに……自分の事より周りの人たちを思う優しい妹だ。




米「ん……うっかり寝ちゃったんだぞ」




目をこすりながらアルフレッドさんも起き出した。




日「おはようございます」




米「菊、帰ってたんだね」




日「先程戻りました」




「兄さん、私は夕飯を作って来ますね」




と言いAは夕飯の支度をする。
台所に向かうAをアルフレッドさんは真剣な顔で見つめる。




まるでAを暗闇から救ってくれるような……

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(プロフ) - 粟雨さん» 面白いと言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月2日 21時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
粟雨(プロフ) - すっごいおもろいです!毎日楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2021年9月2日 19時) (レス) id: 405b174d44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 蟻籠さん» わわっ!大好きと言ってくれて嬉しいです!!更新頑張っていきますね (2021年8月21日 16時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
蟻籠(プロフ) - 大好きです!めりかわ…。更新、頑張ってください! (2021年8月21日 16時) (レス) id: 97f7efefc5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年8月18日 17時

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