怖いもの ページ22
「超大国でも怖いものがあるのに驚きですね」
米「君、俺を何だと思ってたんだい?」
怖いもの知らずで人の話を聞かない小僧……ですね。
ストレートでそう言えば、分かりやすく落ち込みますので言わないでおこう。
後が面倒臭い。
「さぁ?」
米「君、今凄い失礼な事を思っていたよね?」
「気の所為です」
米「そう言うAはどうなんだい?俺からしたら君こそ怖いものなんて無さそうだぞ」
怖いもの……ですか。
『-お前が好きになった者は、お前のせいで、お前の為に消えるからな-』
「長く生きている分、恐れは増えていくんですよ」
米「ソレって」
「私みたいなお婆さんにも怖いものはある事です。さてそろそろお開きにしましょう」
これ以上アルフレッドさんに話す事は無いですし。
先に立ち上がり部屋に戻ろうとした時、アルフレッドさんに腕を掴まれた。
「なんですか?」
米「A、君の怖いものはなんなんだい?」
「……腕痛いです」
力強く掴まれた腕は“ゴメン”と言いつつ離してくれた。
今のアルフレッドさんは、いつもの子供っぽい感じでは無かった。
コレが稀に見る大人びた姿か?
「はぁ……」
言わない…と言う選択肢は無いんですね。
とりあえず……
「自分自身」
米「君自身?」
「冗談です」
米「……え?」
「はいはい、部屋に戻りますよ。お婆さんは眠くなってきたので」
米「う、うん」
あやふやな感じで話を強制終了させ、私とアルフレッドさんは部屋に戻った。
部屋に戻り再び布団に入り天井を眺める。
(私の怖いもの……ソレは昔の自分と何かを失う事)
そう思いながら重い瞼をを閉じた。
・
翌朝、朝食を食べた後アルフレッドさんは帰って行った。
私は彼に自分の事を話しすぎたな。
私と関わった国民は、皆私の為に消えた。
だから、まだ若いアルフレッドさんには……消えないで欲しい。
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渚(プロフ) - 粟雨さん» 面白いと言って貰えて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月2日 21時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
粟雨(プロフ) - すっごいおもろいです!毎日楽しみにしてます!頑張って下さい。 (2021年9月2日 19時) (レス) id: 405b174d44 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 蟻籠さん» わわっ!大好きと言ってくれて嬉しいです!!更新頑張っていきますね (2021年8月21日 16時) (レス) id: 9dd9702176 (このIDを非表示/違反報告)
蟻籠(プロフ) - 大好きです!めりかわ…。更新、頑張ってください! (2021年8月21日 16時) (レス) id: 97f7efefc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2021年8月18日 17時