拾われた先は… (ページ2)

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連れてこられたのは、まさに人生勝ち組のマンション

見上げてみても最上階はギリギリ見えないんじゃないかってくらい大きい

｢こっちだよノラちゃん｣

『……？』

ノラちゃんとは私の事、なんだよね？

彼の後ろをただ黙ってついて行く

｢今日からここがお家
遠慮なんかいらないからね？勝手に冷蔵庫もトイレもお風呂も部屋も使っていいから｣

どうしてこの人は何も知らない私の事をここまで良くしてくれるんだろうか

｢とりあえずお風呂入っておいで
着替えは適当に置いとくね｣

『ありがとう、ございます』

｢いーえ｣

お風呂も広くて落ち着かないから、焦るようにすぐに出た

｢早かったねこっちおいで
髪の毛乾かしてあげるー｣

手招きされゆっくり近づくと、腕を引っ張られ足の間に座らされる

｢ノラちゃん名前は？｣

『……A』

｢A、いい名前だね｣

『……貴方は？』

｢僕はジョングク。グクでもジョングクでもオッパでも呼びやすいように呼んで｣

『…ありがとうございます』

jk｢ベッド使って寝な？疲れたでしょ
おやすみA｣

『…はい、』

jk｢はいじゃなくて、お休みなさいって返すんだよ｣

『っ、ごめんなさい』

ぶたれる！と思い、咄嗟に手で頭を覆うようにしてしまう

だけどいつまで経っても、ぶたれることは無く恐る恐る目を開けると

jk｢……大丈夫。ふだないよ｣

優しく微笑んでゆっくりと頭を撫でられる

全てが初めてでどう反応したらいいのか分からない

jk｢お休みって言われたら、お休みって返せば大丈夫
Aも言ってみて？｣

『っ、おやすみ、なさい』

jk｢んふふうんお休みA｣

そう言って、リビングの方へと消えていったジョングクさん

優しくされた事も頭を撫でられたことも、ふかふかのお布団で寝させてくれるのも全部が初めての経験で今まで感じたことがない感情になり、すぐには寝られなかった