別れの季節に (ページ22)

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ビターチョコ兵頭十座ページ22

「あら、兵頭くん。
いらっしゃい。」

いつもの喫茶店。ショートカットの彼女がいた。

「ショートケーキとココアください。」
「いつもありがとう。」

注文を伝えると彼女はキッチンの方に消えていく。
特別美味しいとか、お洒落だから行ってるんじゃなない。

「これサービスね。」
「あざす…」

俺は、この人に惚れてる。

「Aの前だと、ヤンキーも大人しいな」
マスターがからかうように笑う。

「マスターだって、昔は悪かったじゃないの。」

常連客のじいさん達がそんな2人を見て、結婚しちゃえ～と冷やかす。

「ショートケーキとココアね。」
「…っす。」

いつも頼むメニュー。彼女が運んでくれるのが
嬉しかった。

「また傷作って…喧嘩しちゃダメだよ。」

「すいません。」

「もう…」

ショートカットの頭には、今日も天使の輪が出来ていた。