普通の高校生2【安室透／降谷零】

20『ゼロの執行人』 ページ6

安室さんの意味深な台詞に私は呆然と彼を見つめるしかなかった



数秒経ち、さっき降り出した雨が目に入り私は慌てて安室さんの腕を引っ張った




『…とにかく雨が当たらない所に行きましょう』




風邪を引いたらたまったもんじゃない、






「……怒っていますか？」

『…え？』

「僕達、公安警察を…」

『……』




怒っている…か



確かに、



『…怒ってますよ』

「……っ」




『でも、…』





『…そうしなきゃいけない理由があったなら私は怒りません』




安室さんの目が見開いた
私はフッと笑い、顔を伏せた



ここ数日、確かに安室さんへの怒りはあった
小五郎さんを逮捕させた事、大事な幼馴染みを傷つけた事
理由がなんであれ傷つけたのは真実だ




でも、わかっていたはずだこの人も







«こうしなきゃ解決出来ない»







『仕事ですからね、私の大事な幼馴染みを泣かせたからにはしっかり守って下さいよ、』






『……貴方が守ろうとしてるこの国を』



決して簡単な事じゃない
それでも私は貴方に守ってほしい…


＿＿私達が安心して暮らせるこの国を




安室さんは一度俯き、そして私を見て笑った


「……もちろん、お守りしますよ」



安室さんは私に近付きそっと私の横髪を撫でた
その手つきが凄く優しくて私は思わず彼の端正な顔を凝視してしまった


更に近付いたと思ったら、
安室さんの唇が私の前髪あたりに触れた




『……っ！！』




「……全ては愛おしい貴方のために」






そう呟いて逞しい腕の中へ私を閉じ込めた

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