普通の高校生2【安室透／降谷零】

34『ゼロの執行人』 ページ20

〈NAZUから予測落下地点が出ました！このままじゃ、あと5分でカジノタワーに落下します！〉



う、そ…？




カジノタワーには、




蘭たちがいる




「蘭…！」




新一が必死でスマホを触っている
アタシは震える手を必死に押さえた




5分なんて、すぐじゃないか…!!





アタシも頭で必死に考える





何か、何かないのか！？




落ちる前に止める方法が…





……そいえば、カジノタワーの近くに建設中のビルがあった気が



アタシはとんでもないことを考えてしまっている




普通じゃない…




でも、この車なら





この2人なら…!!




『安室さん！このビルに向かって下さい!!』



アタシは彼にスマホを見せた
今まで黙っていたアタシに彼は驚いてアタシとスマホを交互に見た




けど、




「よし！」




瞬時に理解して、微笑み返してくれた


それは新一も同じだった







エッジ・オブ・オーシャンに着き、建設中のビルの資材運搬用エレベーターに車ごと乗り込んだ




「間に合うのか？」


「このビルの高さと、カジノタワーまでの距離を考えると…あと1分後にここから加速できれば……」



一か八かの勝負



「…蘭…！」



新一…



無意識なのかな？
こんなときでも考えてるのは想い人の事





アタシはふっと笑った




すると安室さんが新一に視線を向ける




「何？」


「…愛の力は偉大だな」


「え？」





こんな時に何を言い出すんだろ…




アタシと新一は怪訝そうに彼を見た

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