普通の高校生2【安室透／降谷零】

32『ゼロの執行人』 ページ18

アタシ達の必死な言葉に日下部検事は言葉を詰まらせる





【日下部さん…それが私の信じた、貴方の正義なんですか？】



「……!!」





涙を浮かべた日下部検事が顔を上げた






彼も気づいてたはずだ、







しかし気づかないフリをしていた







犠牲者を出してでも己の信念を貫くのが、






本当の『正義』ではないということを＿＿＿。







日下部検事は泣きながら重い口を開いた







「…NAZUに不正アクセスして、変更したコードは＿＿」






〈HABA_231〉



















「コードの認証に成功、探査機の軌道を修正したそうだ」





その言葉に安堵したのも束の間、





「何!?ブラックアウト!?」






ブラックアウト…




大気圏突入直後の五分ほどの短い時間のこと




「その間はプラズマが発生するため通信状態が保てず、確実に軌道が修正できてるかどうかわからないそうだ。しかも、パラシュートが開かない可能性がある…」





『そんな…』




「羽場を…羽場を早くあそこから避難させてくれ！」



『日下部検事！』





日下部検事は安室さんを突き飛ばして警視庁へ向かって行く




アタシ達も彼の後を追いかけた



















「……何!?カプセルが!?」



『？！』




無事にパラシュートを出せたと安心していたのに、カプセルの新たな予測落下地点が出たと安室さんが叫ぶ







それは、





今、3万人が避難している








〈エッジ・オブ・オーシャン〉だった。

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