普通の高校生2【安室透／降谷零】

15『ゼロの執行人』 ページ1

安室side



その夜、俺はポアロの買い出しに梓さんと大型スーパーに来ていた



「ないね〜、あの大きなアイスクリーム」

「ですねぇ」

「あ、私、店員さんに訊いてくるから、安室さんは小麦粉をお願い」




店員の方へ向かう梓さんに俺は何気なく言う



「梓さんは良いお嫁さんになりそうですね」


梓さんは人差し指を口に当てて慌てて俺に近寄った


「軽はずみな言動は避けて」



………え？



「安室さんはウチの常連のJKに大人気で、この前も私が言い寄ってるってネットで大炎上だったんだから！」



素早くスマホを操作し、炎上したSNSを俺に見せてくる
まあ、確かにJKが多いなと思ってたが…



まさか俺目当てだったのか…




「でも安室さんには相手、もう決まってるし大丈夫ね！」

「え、相手…？」



いったい誰の事だ？



「もう！Aちゃんよ！安室さん密かにAちゃんに好意寄せてるの知ってるんだから」


「っ！！？」



ま、まさかバレていたのか？？
Aさんの前でも他の人でも変わらず平等な態度をしてたつもりだが…、



いや、確かに思い返して見れば




手繋いだり、抱きしめたり、撫でたり、




とてつもなくスキンシップが多かった気がする…




「…っあはは、バレてましたか！いやお恥ずかしい…」



クソっ！！
恥ずかしすぎる！！
自分の好意が筒抜けだったなんて…



よくこれで公安がつとまるな！！！！



百面相してると梓さんが真剣な顔をした



「だからこそ安室さんがAちゃんを守って下さいよ！炎上もそうだけど、大切な子ならしっかり守らないと」



……！



「…泣かしたら許しませんからね」




そうウインクして梓さんは店員の方へ向かった



「……っ」



大切なら守る…

難しいな。


それに今日の彼女の態度を思い返せば俺への好感が下がったのもわかる




『好きだ』と言う前に、




嫌われてしまったら意味がない






「それでも守らなければ…」





『大切な人』が安心して暮らせる、



『この国』を＿＿＿＿＿＿。

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