女同士 ページ32
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真夜中。2人は寝た。
私も「今日は早く寝なさい」と言われたけれど、どうしても眠れなかった。
客間から抜け出して、バーの椅子に座る
窓の傍の席は月明かりに照らされて、電気をつけなくても十分明るかった
気を紛らわす為に、航海術の本を開く。
でも、何をしていても昼間の出来事を思い出してしまう。
首にそっと手を当てると、じんじんと痛む。
あんな出来後…この世界じゃ、日常茶飯事なのかもしれない。けど、
あの白いモヤは一体なんだったのか。
あの時、本当に何も見えなかった。
目の端から風のように緩やかに現れて、
ゆっくりと白い世界が広がって行くところを絶対に見たんだ。
それなのに、他の人には全く見えていない。そんなのおかしい。
怖かったから、という理由が当てはまったとしても。あんなに長時間。何も見えないくらい目の前が真っ白になることはありえないと思う。
でももし、あのモヤが…怖い目に会った時に出続けたなら
…私は直ぐに死ぬ
昼間襲われた時に考えた、『逃げる』という選択自体は正しかった。でも、行動に移せないなら意味は無い
私は最強じゃない。なんの能力もない。
武器も扱えなければ、体術で戦える訳でもない。
今から鍛えて、戦えるようにしても
怖いという気持ちがある限り、アレが消えないのなら…私は…
「Aちゃん」
後ろから名前を呼ばれて、ビクッと肩を揺らした
『…シャッキーさん…』
「眠れないのね。…まぁ仕方ないわ。あんな目にあったんだもの」
彼女は静かに言う。
『……シャッキーさん。私、今まで誰かと戦うとか、喧嘩するとか全然経験したことないんです』
そう言うと、シャッキーさんは黙って向かいの席に座った。
『あの時、レイリーさんが来てくれなかったら…私多分、普通にやられてました。』
「…そうね…」
『……私が、強くなれる方法はあるんでしょうか』
ポツリと呟いた。
「…Aちゃんは、どうして強くなりたいと思うの？」
シャッキーさんが真っ直ぐ私を見て言う。
『…え？』
「私はAちゃんのその優しさが好きよ。純粋で、真っ白で。私達にはもう手に入らないもの。
だから、羨ましいとすら思うわ。でも、君は…そう思ってない。どうして？」
どうして。…それは、自分を守る…ため…
違う
『…私、助けたい人がいるんです。近い未来、必ず助けたい人が。だから、強くなりたい』
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レモン - めちゃくちゃ面白いです⭐️レイリーさんめっちゃイケメンなんですけど！！ (11月20日 14時) (
レス) @page48 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - ゲンコツが面白すぎる🤣 (2022年5月2日 2時) (レス) @page41 id: 9db3f9f6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まうゆ | 作成日時：2021年6月29日 22時
