V ページ5
「なぁ、メガネくん。
引くってどうすればいいんだ？
さっきの俺は引けてた？
なんであんなにひかるは困った顔をしてたんだ？」
聞けばちゃんと答えが返ってくるもんだからマシンガンのように質問をぶっぱなす。
―――やぶさんはいつも押してばっかりなんだからたまには引いてみないとウザがられちゃいますよ！
いつもよりは引けてたんじゃないですか？
あれはいつもと違うやぶさんの返事に戸惑っていただけですよ、きっと！―――
「そうかなぁ〜？そういうもんなんかなぁ
〜？」
「あぁ〜いつもみたいにひかるにガンガン話し
かけたい、触りたい、あわよくばラッキースケ
ベとか…」
―――それですよっ！！―――
「声でかいな、おい。 で、なにが？」
―――やぶさんはいつも自分の話ばっかりひかるさんにするでしょ？
だから今日はひかるさんの話をいっぱい聞いてあげるんです！
優しくあたたかい眼差しで話を聞いてくれるやぶさんにひかるさんはメロメロになること間違いなし！！―――
「…その手があったか！なんで今まで思いつかな
かったんだ！ありがとう、メガネくん！」
勢いよく浴槽から立ち上がったもんだから周りに甚大な水害を招く。
―――ちなみにあたたかい眼差しは青いロボットくんが教えてくれます！―――
と紹介に預かった青いロボットくんはまるで1人で頑張ると巣立つメガネの少年を見守るようなキラッキラの向日葵のような目をしている。
ひかるの料理が出来上がるまであと約10分。
俺はあたたかい眼差しの師匠に弟子入りする。
*
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作成日時：2019年4月29日 19時
