俺はヒーロー (ページ3)

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Ⅲ ページ3

「ねぇ、まだ用帰り支度終わらないの？
ご飯作んないよ？」

俺が小さな探偵に相談事をしている間にひかるは帰り支度を終わらせ今にも楽屋から出ていこうとしていた。

「待って！あと3分！すぐ終わるから！」

ただでさえ荷物の少ない俺は帰り支度を3分で済ますなんて目隠ししてひかるの手料理を当てることと同じくらい簡単。任せろ！

「終わった！さ、帰ろーぜ〜。」

2人で並んでテレビ局の長い廊下を歩く。

俺よりも少し下にあるその長く綺麗な指に自分の指を絡めたくなる。
いつもの俺だったらふざけ1割本気9割で手を繋ぎにいっただろうが、さっきのアドバイスを参考に何もアクションは起こさない。

―――でも引くってなんだ？具体的に何を引けば
いいの？

ひかると出会ってから、ひかるに一目惚れをしてから俺は重症なほど押すということしかしてない。それはそれは周りが気にしちゃうくらい。

「…やぶ？なんで今日はそんなに無口なの？

やっぱ疲れてんの？俺家行くのやめよっか？」

心配そうに下から見上げてくるひかる。
身長差って最高。俺たち雑誌では3cm差しかないけど絶対5〜10位あると思うんだよね。

やぶひかMAGICってやつよ。

「おい！人が心配してんのにガン無視なんてい

い根性してんな！？」

ついつい余談の薮が3割程度出てきたとこでひかるにガチ怒りされる。いつもなら土下座する勢いで謝り倒すけど今日は引いて…

「あぁ、ごめん。ちょっと考え事しててさ。

大丈夫だよ。どこも悪くないし疲れてないか

ら。ひかるの手料理楽しみだなぁ〜」

これは引けてるのか？

「あ、そう…ならいいけどさ」

…ひかる困った顔してるじゃん！！
これは作戦失敗なのか！！

助けて！青くて猫だかたぬきだか分からない若干3mm浮かんでるロボット君！！

俺の恋が進展する道具出してよォ〜！

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