襲撃の朝 ページ2
水菜side
いつも通りの朝、
いつものように顔を洗い、
身支度を整えて、
出会った面々に挨拶をして。
ただ、いくつか違う点を挙げるならば。
紅葉の纏っている気配がいつもと違う。
嫌な予感がする。
そんなささやかな事だ。
紅葉「お口に合いませんでしたか？
水菜ちゃん」
水菜「えっ、いや。
いつも通り美味しいよ。
だけど空気がいつもと違う気がして」
紅葉「水菜ちゃん、今日何かあれば
みんなのこと、頼んでいいですか」
唐突に放たれた言葉に
僕は盛大にお茶を吹き出した
汚いかもしれないが、
そんな驚きなのだから。
水菜「唐突にどうしたの」
紅葉「昨日の夜に少々。
今日の作戦、失敗するとは言いません。
ですが、最悪の状態を想定して下さい」
水菜「わかった」
紅葉の言葉はどれも僕の行動を変えさせる。
それ程僕の中で大きいから。
ーーー
水菜「時間だね」
喪服に近い黒のワンピース、
下には黒のタイツ。
これだけ聞けば
戦場に赴く格好ではないだろう。
ただ、ワンピースの袖の下から
二つの黄金の腕輪が覗いている。
ーーードラウプニル。
魔術や知識やのを司る神
オーディン、女性化名オティヌス。
そう呼ばれる神が使っていたとされる腕輪
その魔術的復元物。
それを腕につけているのだ。
池田屋、三条大橋にて言った
霊装の準備とは主にこれである。
水菜「日本人が海外の神の力借りるってば、
すごーくなってないけど。
終わりよければ全て良し。」
ほぼ無限に物を収納できるように
空間をいじったバックを下げ。
中庭で作戦を説明する。
刀剣は極力折らない。
堕ちていたりした場合、
折ってもやむなし。
鐘崎の捕縛をメインにすると。
鐘崎自体、捕縛命令が下っていても
生死は問わないとの事なので
別に殺してしまっても構わないということ
秋葉「それにしては、装備が大げさだね。
グレイプニルなんて。
更地にでもするつもり？」
水菜「そんなわけでもないよ。
ちゃんと調節はしてるから。
右目抉ってないから、
グングニル使うにも出力下がるし」
グレイプニルは
所有者が扱える範囲の神器を生成、
強化する能力を有する。
そこに黒のワンピース黒タイツ。
魔術的に見れば、
霊装を展開するつもりが満載なのだ。
カーテナも
再現できてきしまうグレイプニルだが
根こそぎ魔力を持っていかれるだろう。
だからこそ、
このワンピースを着ているのだから。
水菜「行こう、相手の思惑どおりにさせない」
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作者名：クラウン | 作成日時：2018年9月15日 22時
