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水菜side
稲津「相変わらず此処も変わりませんねー」
水菜「まぁ、一種の神域だからね
優鶴くんたち、墓守に挨拶できたかな」
陸「優鶴は墓守に怒られてそうだね
あいつ、滅多に此処に来ないから」
中也「おい、剣聖長さんよ
なんで俺を此処に連れて来た？」
水菜「水居姉の両親に挨拶させたかったから
かな？
あの時
君が頑なに帰らなかったのは
水居姉を心配してたからでしょ？
昔から水居姉は鈍ちんだったから
気づいてないけど
水居姉の事、
恋愛的に好きなんじゃない？」
中也「思い過ごしだ、と言ったら？」
水菜「嘘だね、
君、水居姉見てる時幸せそうだし
水居姉が危ない動きした時
守ろうとしてたでしょ？
何より
嬉しそうだった」
僕に嘘は通じないからね
と付け足しながら
そういうと
中原中也と言う存在はすぐにその恋心を否定しなくなった
プリズムの使者と呼ばれる存在とハーフの優鶴くんよりも
水居姉は熾烈な過去を送っている
悲しく
恨みたくなるその過去を知って
彼がどれだけ水居姉の側に居てくれるのか
それだけが知りたい
中也「水居の過去は知ってる
本人にも、首領にも説明された
彼奴はマフィアに向いてる
彼奴もそれは否定しないと思うぞ
それで、頼みがあるんだが」
水菜「僕、恋愛については口出ししないよ？
決めるの水居姉だし」
中也「それもあるが、
手前らは水居を殺そうとはしてないんだな？」
水菜「そりゃあ、勿論
襲撃の手引きした奴探してるくらいだからね？
ーーーおっと、
失礼、叔父様」
透けた人影が次第に鮮明になっていく
顔が識別出来るようになれば
まず驚くのは若さだ
本家桜木の血を引く以上
一定以上は若く見えるから仕方ないが
高く見積もって二十代程に見える若々しい姿だ
徳勇『まず、礼をしなければね。
中原中也
私の娘を守ってくれている事
あの子の支える柱になってくれている事
感謝の念を禁じ得ない
私達の世代は
殆どある大戦で死に伏した
非常に面倒な事ながら
桜木の私達の世代はほぼ全員軍人であり
主戦場に送り込まれていた
我々桜木の圧倒的な異能と身体能力を利用したかったからだろうがね
何度も深手を負いながら
敵の血肉を貪り、
幾つもの船舶を沈めた
私が彼と出会ったのもそこでだ
君たちの首領、
森鴎外
彼は昔軍医をしていた
私も何度も世話になり、信頼していた
だからこそ
襲撃され、彼が家に飛び込んできた時
娘を彼に託したのだ』
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作者名：クラウン | 作成日時：2019年7月25日 0時
