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34. ページ39

「………本気で言ってますか」




雨はだんだんと弱まっていっている。



びしょびしょになった



髪も、服も、鞄も、



どうでもよくなっていた。





小「……本気っすよ。最初は、一目惚れでした。」




一目惚れ、か……。




小「確かに、最初は外見でしたけどAとだんだんと喋っていくうちに、どんどん引き込まれていったんです。……って何言ってるんやろ俺…」



一人でペラペラと喋っている小瀧さん。

小瀧さんは一人で照れながら視線を伏せている。




「…………ありがとうございます」



とりあえず喋ろう、沈黙を破ったのは私。



小瀧さんはとっても素敵な人や。

優しくて面白くて、紅茶のいれかたが上手くてケーキは美味しくて。




でも、私には




ともという存在がいる。




「あの、私は」


顔を上げて思い切って言おうとすると、





小「俺じゃ、俺じゃダメなんですか」




小瀧さんの顔は、



切なくて悲しくて。



その顔に言葉が詰まる。




「………大阪にいる私の大切な人は、笑顔がすごく素敵なんです。」




小瀧さんは顔をゆっくり上げて私を見る。




「優しい声と、その笑顔が大好きなんです。」


小瀧さんはふっ、と微笑んで、



小「俺じゃ勝てっこないってことですね」



「小瀧さんは!」


自分でも驚くぐらい大きな声がでた。



小瀧さんも目を見開く。





「ど、努力家で、面白くて優しくて。い、イケメンで?」




小「ふはっ」



「ちょっと!笑わないでくださいよ!」



自分で耳まで赤くなっていることが分かった。



小「イケメンで?」



ニヤニヤとこっちを見てくる小瀧さん。



「い、イケメンで、小瀧さんにたくさん勇気を貰ったんです。」




小「……え、」




「小瀧さんみたいにたくさん挑戦してたくさん笑って、たくさん泣いて。そんな人になりたいなって思ったんです。」




もう真っ暗な空。



雨は止んでいた。




「だけどやっぱり、小瀧さんのこと、好きにはなれないんです。」



小「………そっか、そっかぁ〜!」




いつもの調子で笑う小瀧さん。




小「そっかぁ……、あ、そろそろ帰った方がいいんじゃないですか?もう暗くなってきてますし。」





「あ、そっか…。また、来ますね。」




そう言って小瀧さんに背を向ける。





カフェの前に佇む、涙をうかべる小瀧さんに、




今日のさよならを告げた。

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侑桜(プロフ) - いえいえ!新作&続編、楽しみにしてます!頑張ってください(*^^*) (2018年1月19日 18時) (レス) id: 8f97152f8a (このIDを非表示/違反報告)
杏菜(プロフ) - 侑桜さん» ありがとうございます、!!続編も考えておりますが、時間がかかると思いますし、新作との掛け持ちになるんではないかな、と思いますので、気長にお待ちください!読んでいただいてありがとうございました! (2018年1月19日 7時) (レス) id: d8f9f2cf95 (このIDを非表示/違反報告)
侑桜(プロフ) - すっごく面白かったです!!ともくん可愛いすぎて(*´`)続編も作ってくださると嬉しいです! (2018年1月18日 18時) (レス) id: 8f97152f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏菜 | 作成日時:2017年12月29日 17時

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