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19. ページ22

鈴華ちゃんにはLINEを送っといた。




『今日風邪気味やから、学校休む〜』




スマホを鞄にしまうと、




ともがベンチに座ってる。





隣にすとん、と座ってみると





ともが微笑む。






「あーぁ、もうともに会えなくなるんやなぁ」



まだあと2ヶ月はあるんやけど。




と「寂しいやろぉ?」





「うん……すっっっっごく。ふふっ、」






これでもか、とためてみた。





だってほんとのことやから。





ともはまた微笑んで、





ベンチをたって走り出したかと思うと、





ちょっと広い芝生の丘みたいなところで





と「おいで」





ぱっ、と手を広げる。





私はともめがけて、






全力で走った。






ともと初めて出逢った日、






あの真剣な眼差しが






マグカップを渡した日、






あの柔らかい微笑みが、






初めてキスをした日、







あの甘い初めての味が、







もうちょっとで届きそうな、






あの大きな大きなともの笑顔が、






愛おしくて、大好きで、自分のものにしたくて、






ともに飛び込んだ。






私を受けとめたともは




ぎゅーっ、て私を抱きしめてくれる。



と「……………A、」




耳にかかる吐息が、






熱くて、





少しドキドキしてまう。





と「………おれだって、離れたくないんやで。」






ちょっとだけ震えてるともの声。






と「ずっと……Aとここで、こうしてたいんやで。」






「…………うん、」






と「こんな…わがままだめやけどっ…」





「…………ええんやで、」





私はぎゅっ、てともを抱きしめる。






と「ここで、Aとっ…笑ってたいんや…」





ぽつ、と





私の首あたりには、





なにかが一粒、また一粒、降ってくる。





それがともの涙だって、




わかった瞬間に、







私もともの首に、





雨を降らせるぐらい、





泣きまくった。





ごめんね、ごめんね、




って思いながら、



2年後絶対ここにくるから、




って誓いながら。

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侑桜(プロフ) - いえいえ!新作&続編、楽しみにしてます!頑張ってください(*^^*) (2018年1月19日 18時) (レス) id: 8f97152f8a (このIDを非表示/違反報告)
杏菜(プロフ) - 侑桜さん» ありがとうございます、!!続編も考えておりますが、時間がかかると思いますし、新作との掛け持ちになるんではないかな、と思いますので、気長にお待ちください!読んでいただいてありがとうございました! (2018年1月19日 7時) (レス) id: d8f9f2cf95 (このIDを非表示/違反報告)
侑桜(プロフ) - すっごく面白かったです!!ともくん可愛いすぎて(*´`)続編も作ってくださると嬉しいです! (2018年1月18日 18時) (レス) id: 8f97152f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏菜 | 作成日時:2017年12月29日 17時

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