64話 帰宅 ページ28
「そっかー、じゃあAちゃんは合宿参加できなかったわけね」
「……はい」
家に帰るという現実にだんだんと鼓動が早くなっていた。
徹さんたちには笑顔でもう大丈夫なんて言ったけど、実際そんなの心配かけたくないってだけの綺麗事。
一度怖いと思ってしまったものは一生恐怖でしかない。
実際今、徹さんの話がまったく頭に入って来ない。
多分…いや絶対。お母さんは僕のことを殴る。
暴力をふるわれる。
前は、我慢してればいい。笑っていればいい。
そう思えたから大丈夫だった。
でも、でも今は前の僕みたい強くない。
そう思うと自然と体に鳥肌が立った。
ギュッ
「え」
震え出す自分の手がいきなり暖かくなる。
その理由は徹さんの手が僕の手に覆いかぶさっていたからだった。
僕よりも大きくて、そして暖かい手。
「徹さん…」
「蝶ちゃんにも言ってある。暴力がエスカレートしたらいつでも俺に言ってって。
それで、俺にできるかわかんないけど、Aちゃんのお母さんに俺からも話してみる」
「えっ、でも…」
不安だ。お母さんはもしかしたら徹さんにも暴力を振るうかもしれない。
そしたら僕のせいで徹さんまで怪我をしてしまう…
ダメだ…ダメだっ！絶対！！
「徹さんダメです！絶対ダメです！！大丈夫です！僕は平気なの…で」
繋いだままの手も忘れて大きくガッツポーズをした。
でも、1週間という時を一緒に過ごした徹さんにはなにもかもお見通しだったらしい。
「無理しなくていいって。俺は平気。大人の女の人の力にだって負けないよ。」
ギュうっと抱きしめられて安心する。
それでも、やっぱり全ての不安はとれなかった。
見慣れた道になってきて、だんだん1週間ぶりのなつかしい家が見えてきた。
でも、それと同時に違和感。
僕の家の前に誰かいる。
「あ、え？飛雄君…？」
それは烏野の一年生たちだった。
「あ、A！！！」
翔陽君が僕に気づいてダッシュで走ってきた。
「よかったぁ〜！心配したんだからなっ！どこ行ってたんだ…よ………ッ大王様！？！？」
コロコロと表情をかえる久しぶりに会う翔陽君。
でも、なんで翔陽君たちが？
たくさんの疑問が溢れ出す中、僕の視線が向いた先の光景に一気に血の気が引いた。
「お、母さん…」
こちらをジッと見つめるお母さんの姿が見えた。
やばい。
そう思える雰囲気のお母さんに気づいたらし徹さんと蛍君。
そして、
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向日葵(プロフ) - 青猫さん» ほんとですかっ！？ほんわかしましたか！？本編がシリアスまみれになってしまったので番外編はほんわかできるように頑張りました！！あと2個ほどあるので！！ほんとにありがとうございます！！ (2016年2月27日 20時) (
レス) id: b3c2921f0f (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 向日葵、(元陽鞠、)さん» うわぁっ今泣きそうになりましたっ！！好きだなんてほんとにありがとうございます！！！ (2016年2月27日 20時) (レス) id: b3c2921f0f (このIDを非表示/違反報告)
青猫(プロフ) - 初めまして青猫といいます！本編完結おめでとうございます！少し悲しい気もしますが番外編があって嬉しいです！ポッキーが好きな理由、ほのぼのしてて読み終わったとき、ほっこりしました（笑）これからも頑張ってください！ (2016年2月27日 17時) (レス) id: 9acd278c8c (このIDを非表示/違反報告)
向日葵、(元陽鞠、)(プロフ) - あ、はいw続編にいく時は忙しくてコメント出来ませんでした(><)向日葵さんの作品は本当に好きなんですよ……！これからも応援してます！ (2016年2月27日 1時) (レス) id: 2aaa62a4a5 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 向日葵、(元陽鞠、)さん» 続けてすいません！！この作品に一番最初にコメントしてくださった方ですよね？ほんとうにありがとうございます！！嬉しい限りです！！！ (2016年2月27日 1時) (レス) id: b3c2921f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maidens/
作成日時：2015年10月30日 20時
