>青 ページ33
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突如として、それは起こった。
「は？なんで？」
徐々にやつれていく涼太が心配で、あとをつけて見たものは、お葬式。
看板に書かれる名前が信じられなくて、周りの制止を振り切って中に入った。
棺には、冷たくなった顔の白い女。
見覚えのある、
でも面影のない、
半年前に別れた、彼女。
いるのに、いない。
その事実が、顔を見た瞬間に胸を抉った。
やばい、吐く、
「もう会わない。でも、翔太のことずっと応援してるよ」
話がちげぇじゃん。
“転勤で、海外に行くから、遠距離恋愛はできないね、”
そう言ったの、Aじゃん
もう一生会えないとか、俺聞いてない。
一生会わない知り合いなんてきっとこの世に五万といて、
でも、そうじゃない。
会わないんじゃない。
“会えない”
耳鳴りがする
「A、ずっと闘病してた」
なんで涼太が知ってんの？
「去年、余命を宣告されて」
なんで俺が知らねぇの？
「死んだあとも言うなって口止めされたけど、ごめん、…ごめん」
あぁ、もううるさい。
全部、全部うるさい
何も無いのに、何かが変になったのは、
あぁその時からか、
あの日に戻れたら。
終わらない後悔。
ねぇ、会いたい。
置いてくなよ、
「私は先に死なない」
言ったじゃん。
「だって私が先に死んだら、翔太生きていけないでしょう？」
知ってんじゃん。
「私は、それが究極の愛だと思ってる」
ねぇ、なんで＿＿＿
机には、彼女の日記と封のあかない手紙
知ったら悲しむ？
なんで言わなかったって怒る？
弱るところ、見せたくなかったの、
会えなくなって、会わなくなって、
それでも、
どうしても、
誰よりも翔太が好きでした＿＿＿＿
宛名は、【80歳の翔太へ】
Aからの、最後の手紙
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『会わない選択肢と会えない選択肢』
cast
渡辺翔太
結城A
宮舘涼太
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作者名：午前12:00 | 作成日時：2022年10月2日 23時
