>桃 ページ31
．
強くなりたかった。
“子どもは大人がいないと生きていけない”
1人で生きていける強さが欲しかった。
でも、その努力の先に拡がっていたのは空虚な世界。
なんとなくね、
天真爛漫と言われるキミが、
画面に広がってキラキラ輝くキミが、
眩しいと思うと共に、鏡のように感じたの＿＿＿
“分かるよ”
最も言われたくなくて、でも1番欲しかった魔法の言葉。
＿＿＿＿＿
«1»
それはふと見かけたテレビだった。
画面の向こう。
キラキラ輝く笑顔がその四角には映っては消え、映っては消えを繰り返す。
ボーッと見てたそれに、ふと見覚えがあった。
「SnowMan、最近キてる」
SnowMan
テロップに映るその文字と、同期のその言葉が、リンクして。
へぇ、彼らが。
人数多いな。
目立ったイケメンはいないな。
でも、なんか眩しいな。
あぁ、すごいファンの人数、
浮かぶ感情に、特に差し支えたものは無かった。
一介のアーティスト。
そのはずだったのに。
……この笑顔、好きじゃない
一つだけ、ただその一点に胸がざわついた。
ピンクの髪の毛、いちばん低い背、キレキレのダンス、MCの時の独特の喋り方、
気になるから目を引くのか、
そもそも目を引く要素が多いのか、
どちらとも取れるけれど。
何故か彼から目が離せない。
あぁ、良くない。
急いでいちばん右上の赤いボタンを押せば、画面のキラキラは真っ暗闇へと変化した。
しんと静まりかえる部屋。
その笑顔、好きじゃない
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『一等星のおままごと』
cast
佐久間大介
藤田A
SnowMan
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作者名：午前12:00 | 作成日時：2022年10月2日 23時
