･ ページ25
．
«ひかるパパ»
「パパなんて嫌い！！！」
盛大な喧嘩を目の前で見た。
思春期の娘と旦那の喧嘩。
初めての娘の反抗に、照の目が少し潤むのが分かった。
渾身の捨て台詞を吐きバタンと扉を閉めて、娘は自室へと向かう。
残されたソファーには、放心する照。
「ぱぱ」
「…A、」
あぁ、これは相当まいってそう。
「気にしないの。あの子も思春期だし、口出しされたくないこともあるのよ」
「でもきらいって」
眉を下げて、可愛いひーちゃんのお出ましだ。
ギュッと不安そうに私に抱きつく姿は、SASUKEに出るカッコイイ彼とはかけ離れている。
「きっと、冷静になったらぱぱの言うこと分かってくれるよ」
「ほんと？」
「…うん」
何となく前から想像はしてたけど、娘と喧嘩したら真っ先に心のケアをしなければいけないのは旦那の方だ。
娘は、パパの心配を他所に逞しく育っているというのに。
「なんで男の子と晩ご飯行っちゃだめなの？別に連絡するんだから、いいじゃん。」
「仕方ないでしょ〜。パパが娘溺愛なんて今に始まったことじゃないんだし」
「それは知ってるけどさ。ママ、よく耐えられるね」
「えぇ束縛だなんて思ったことないよ。パパは他の人より愛情表現がずっと一途ってだけじゃない」
「いつか彼氏紹介したら、1発ぶん殴りそ〜」
「まぁそれは諦めて。耐えられる強い男連れてきなさい」
「アイツ、耐えれるかなぁ」
「“彼”ね〜。どうだろ〜。パパ、関係知ったら卒倒するんじゃない？」
「知り合いだなんて気づいてなさそ〜」
「まぁ今回はママがフォローしてあげるから、内緒で遊びに行っておいで。」
「いいの！？」
「パパに“嫌いじゃないよ”ってフォロー入れてくれたらね。ママが面倒被るんだから」
「了解いたしましたっ！！…ぱーぱー！！！！」
ごめんね〜！！！と大声で叫びながら部屋を出てリビングに向かっていく娘。
なんだかんだ、娘は逞しい。
きっと、コレを見越してやってるのだからほんと困ったものだ。
＿＿＿＿＿
娘と喧嘩してひーちゃんになる岩本がみたいっっ！！
こちらも絶対娘ラブの溺愛。
心配を他所に娘が強かに育っていると尚よし。箱入りは似合わなそう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：午前12:00 | 作成日時：2022年10月2日 23時
