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「終わりがあるのなら、始まらなきゃよかった」
そう言って俺の家に来るなり涙を流したのは、ずっと好きな女の子だった。
翔太の横にいたはずの、俺には手が出せなかった女の子___
ずっと好きだった
翔太から『こいつ、友達』と紹介された時、
彼女の真っ直ぐな瞳がいとも簡単に胸を貫いて、それ以来。
きっと、一目惚れ。
結局、彼らはすぐに付き合ってしまうんだから
“出会う順番が逆ならば”
何度も何度も、
何度となくそう思っていたんだけれど。
やっと。やっとだ。
在り来りなラブストーリーでも、それでもいい
彼女を手に入れられるならば、それでいい。
「俺なら、Aさんをこんな風に泣かせたりしない」
「俺を選んでよ」
・
分かりきっている。
翔太と友達だったころの彼女はいない。
「しょ、た…」
彼女が寝言で言う男の名前は、決まって別れたはずのあいつだということも
あいつを思って泣く夜があることも
分かりきっていた。
一番最初に出会った“彼女”とは違う
目の前の彼女は、翔太のことが好きだった女の子だということも。
それでも分からなかった、
分かろうとしなかった
きっと、分かりたくなかった
「涼太くん、今日のご飯は私作るね」
どれだけ在り来りな毎日を過ごしても、彼女の心が俺を向かないことなんて、
気づきたくなどなかった。
ずっと思うんだよ。
もし、俺が強くなれたならば
あの時優しくなれていたのだろうか。って。
「好きだよ、涼太くん」
彼女を、翔太に返す優しさを持てたのだろうか。
彼女を奪う選択肢を取らない優しさがあったのだろうか。
「俺は愛してるよ」
飾らない笑顔
ありきたりなキス
そんな凡庸なラブストーリーでよかったのに
どうしてこうなってしまったのだろう、
宮舘涼太 / マスカラ
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どうも、宮舘にマスカラを踊って欲しい作者ですこんにちは。
「終わりがあるのなら、始まらなきゃよかった」
ってこの神フレーズをどう解釈するかということで、あまり無さそうなテイストに仕上げてみました。
仕上げたというより散らかした感が否めないのですが、悲しいラブソングと宮舘、絶対合うと思うんです!!
凡庸なラブストーリー
歌詞だけだと良い結末も考えられそうですが、今回は、
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作者名:午前12:00 | 作成日時:2022年10月2日 23時