【HQ！！】あの猫。欲しいがすぎる。【福永招平】 (ページ7)

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先を、貴方を見る。ページ7

「(いやまじで恥ずかしかった廊下もう通りたくないんだけど…)」

鏡をみると頬も耳も赤い。
もともと赤くはなりやすいが誤解されたら申し訳ないしなにより

「(恥ずかしい…！)」

考えすぎなのが私だけであってもこれはきつい。笑えない。
でも本当にスパイクを決めたフォームも目立たないのにどこか、目を惹かれてかっこいいと思ってしまったのも事実だ。

「ぁー…ばかみたい。」

福永くん…ふくながくんね…うん…名前は知れたし…うん…

「(体育祭応援なにか種目出るのかな)」

少し期待してる自分もいた。どのスポーツにおいてもスーパープレーは喝采が伴う。
でもかれは息を吸うように目を惹かせる。喝采は起こらない。
好きとかじゃなくて単に興味なのかもしれない。不思議だったんだ、きっと

「(五限体育で種目練習だしすこしチラッとなにやるかみちゃお〜)」

コテで巻いた髪をゴムで結んでいかにも体育をしますよーと言わんばかりの格好だ。

リレーも少しやる気出たかもしれない。影響されやすい体質ってわかりきってるけどやってやろうってなる。

「(山本が言ったみたいにかっこよくなっちゃうかも、私も)」

.

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「(あ、福永くんも走るんだ。三走目)」

足速いんだな、ちょっと意外。補欠かもしれないけど。
笛がなって一走目、二走目と走り出していく
やっぱり早い人はフォームも渡し方もしっかりしてるし陸上部とかバスケとか野球部って感じなんだろうな〜って人が多い。
福永くんが2レーン目で待ってるのが見えた。

「(走り出しから前の走者のスタミナにあわせてベストな距離かもこれ)」

彼はきっと視野が広いんだろう。
普段から人の事見てるのかな、二学期になればある程度わかるものなのか、

「福永ナイス受け取り！」
「👍🏻」

なにか喋る様子はなく親指をグッと立てる。

「(福永くん身長やっぱ高いよなぁ〜不思議)」

部活の時は紛れてたけどクラスって括りならすごい高い方、
くりくりな目とケロッとした表情に少し男らしい足と腕とタッパは遠くからでもわかりやすい。

「次女子走るから男子どいてねーー」

どこかの組の体育委員が大きな声で声をかけてる。

「(あそこまではいかなくても、やれそうな気分)」
「A応援してるからね〜ｯ!」
「練習だからまだいいって笑」

.

リレーはクラウチングから始まる。
練習でもﾄｸﾄｸなってる気がする。

「……スタート！」

実質、私の初めての一走目だ。