耳も頬も指先も ページ6
「え、それもうマネージャーじゃない？笑」
「え」
翌日のお昼、昨日の話をした。
まずい。本来の部活すら抜けてないのにマネージャーもどきだったとしてもまずい。
「これ顧問にバレるのかなー…」
別にあの一瞬だけでバレーにハマった訳でも無い。
正直自分がスポーツから逃げたことだけ、ただそれかげが錘として気持ちを重くする。
「うーん。まあ、マネージャーはないかな」
「えー！？2年にかわいい先輩とかいたのにー！」
「アンタが気になるだけでしょーが。」
足をプラプラして宙を見る。
「Aでも朝なんかバレーの人の話してなかったっけ」
「え？私知ってるよ端っこのクラスだよほら福永でしょ笑！」
「え"っ」
まてまてまて、
私は朝バレーのスパイクがかっこよかったって話しかしてない。本当に文章のまんまだ。
「自販機いこーよ、福永くんのいるクラスの教室、通るよ」コソッと耳打ちされる。
耳から赤くなるのを感じる。本当に熱い。
「えー恥ずかしいの？」
「い、いや違う違う違う！！！まってねまってまって…」
なんか顔が熱いし恥ずかしい。図星ではないのに。
「水、奢ってね」
「はーい！笑Aちゃーん行きますよー」
「ばかっ！本当にばか！」
.
.
「ほら、あそこにいるの、福永ｸﾝじゃないのー？笑」
「にやにやすんな！ちょっと声でかい！」
「？」
教室から出てくる人がいる。私より高い身長、大きい手、
「あ、えっと、昨日はお邪魔しま、した、はは、」
から笑いと不意のお礼がでた。
「……山本と来た人？」
あ、喋るんだ
「あ、う、うん！昨日は山本くん借りてごめんね！じゃ、じゃあね！」
終わった。絶対からかわれる。顔も頬も指も赤い。
ただ昨日目がいっただけだったのになあ…。
初めての会話だったし名前も言えなかった。礼儀どころではない。
「まあAさん〜よかったじゃあないですか〜」
「冷やかさないでよ！水買うよーも！！！」
テンションも全部おかしくなる。全部狂った。
買ってもらった水を頬にあてる。あつい。ずっと恥ずかしい。
「(気分転換に後で髪型変えよ…)」
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作者名：ひいな | 作成日時：2024年2月23日 2時
