【HQ！！】あの猫。欲しいがすぎる。【福永招平】 (ページ3)

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乾いたゴム印ページ3

体育祭が近くなってきた。
体育の時間は種目競技の練習が増えて帰りはリレーの練習をする人が"多い"

「Aは練習しないのー？」
「いや3日前からとかでよくね？疲れてる顔とかブスすぎて冷めるわ」
「失礼でしょやめろし！笑」

「おい」

少しトーンの低い声が私の声を被せる
少し耳に残る声、どこか毎日耳に入る声

「あ、はは、聞こえちゃったかな、山本くん。」

努力バカ、黒モヒカンの山本猛虎
正直私は彼が得意ではない。

「？いや。書類書くの手伝ってくんねぇか。リレーのゴム印結局押してなくて」
「あ〜…えっと私放課後はちょっと…」

"面倒"なんて口が裂けても言えない。怒鳴られるなんて御免だ。

「黒モヒカンと仲良くなんなよ笑うち今日部活のやつらと寿司だから帰るわー」
「えマジで言ってる？」

逃げるかのように友達はそそくさと帰る。あいつは帰宅部だ。嘘をつかれた。最悪だ。

山本猛虎は多分努力とか根性とか蔑ろにされるのすごい嫌いだと思ってるから2人っきりになった瞬間何言われるか分からない。

言われてもって感じではあるけども。

「…教室でやろっか？」

苦笑いでとりあえずコミュニケーションのスタートときった。気まずいだろこんなん。

．

．

．

「あ、私1番目なの！1番早い人はアンカー取っておきたいよね〜山本君はアンカーかあ。」
「おう。本当は渡辺がアンカーだったんだけど種目の時間的に間に合わねぇって」
「渡辺くん色んなのでるもんねぇ、山本くんは練習とかするの？リレー」

「部活がオフの時は行こうと思ってるぞ。普段から外周してるしな」

手がピクっと止まる。運動部なんだ。なんかちょいグレっぽくて帰宅部かと勝手に思ってしまっていた。

「嫌、ごめん嫌なら流してくれていいんだけどさ、Aはリレー出んの嫌だった？」
「え」
なんか、いまさっきの失言怒られるもんだと思ってから意表をつかれた。
「そんなんじゃないよ。山本くんは結構なんでも頑張りがちな人だよね？気に障ってたらごめん」

「いや練習頑なに出てくんねぇし何かあったら悪ぃ今年なって思って、話聞きたくて呼んだんだわ。すまん」
「気遣いさせちゃったね。これ勝手な持論なんだけど頑張るって馬鹿馬鹿しくない？」

この際だから全部吐露してしまおう。そんな感覚で口走ってしまった。