1話 ページ3
灰色の空。飛行機の音がうるさく感じる。すがすがしい要素は一つもなし。
貴「ちょっと花京院、本当にここが日本なの？なんにもないじゃない。あちこち古い家ばっかだわ。期待はずれだった。」
大声で悪態をつく少女はかなり疲弊しているようで言葉使いが荒々しい。しかし、着ている制服は気に入っているようで、先程からスカートの裾の長さを確認するため、何度もくるくる回り遊んでいる。
花「日本はもともとこんなもんさ。あっちが華やかすぎただけさ。文化から公用語も全く違うんだから、全てが同じような作りな訳ないだろう。」
それに僕はこうだからこそ、日本が好きなんだ。
独り言のようにセリフを付け加えた赤髪の青年は呆れたように少女を見、身支度を始める。
貴「まぁ、ご飯は美味しいからいいけどね。意外と街も綺麗だし、空気も悪くない。想像よりはマシかな。」
花「君の理想が高すぎるんじゃぁないのかい？過度な期待はしない方が良い。世の中良いことばかりじゃないし、何より君が中心で世界が回っているわけじゃないんだから、思い通りにいかないことなんて数え切れないほどあるさ。」
貴「わかってるよ。」
同意してもらえなかったことが嫌だったのか、少女はつまらなそうに答えた。
貴「ねぇ準備終わったの？私もうずっと待ってるんだけど。さっさと終わらせて早く帰ろうよ。早く学校行って仕事終わらせよ！」
会話に飽きてしまったのか、それとも話題を変えようとしたのか。少女は玄関に向かってしまった。
花「おい。まさか何も持たずに行くつもりか？さすがにそれは良くないな。一応学校に行くんだからカバンのひとつは持って行ったらどうなんだ。」
イスの上にあるから、とってー！
少女は玄関から叫ぶ。
花「…全く。自分のことは自分で出来るようにならなくちゃあいけないな。」
はい、と鞄を渡せば少女は素直に受け取った。
貴「ありがとう。もう行ってもいいかな？忘れ物してない？」
花「多分大丈夫だ。」
貴「じゃ、行こうか。」
空条承太郎を探しに、ね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
好桜(プロフ) - ツティスさん、ありがとうございます！すごく嬉しいです！精一杯頑張ります！ (2018年3月17日 21時) (
レス) id: 50d64b52ee (このIDを非表示/違反報告)
ツティス(プロフ) - 本文を見て、一目惚れしてしまいました。文字数制限のため多く語れなくて残念です。陰ながら応援させていただきます！ (2018年3月17日 19時) (レス) id: e0021f590d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：短冊団子 | 作成日時：2018年3月13日 23時
