恋に落ちたら (ページ10)

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メイクも落とされて、
少しあどけない顔にラフなスエット。

「…シャワーした？」

純「あーうん、汗かいてたし」

「そっか、いい匂いするから」

純「ほんま？自分じゃ分からへん」

それよりさぁ、と

急に真剣な目をして横からぐっと顔を覗き込まれる

「、な…っ」

純「疲れてるやろ、行って大丈夫なん」

吐息がかかる程の近さにごくん、と唾を飲み込んだ。

「…大丈夫、だよ」

純「ほんま？無理してへん？」

「……してない、純喜、くん……ちかい、っ」

息を吸うのも忘れてて、
ギリギリのところでそう言うと

あーごめん、と離れて頭にぽん、と手を置かれた。

純「しんどくなったら言いや？隣におるから」

それだけ言ってメンバーの元に帰っていく。

途端に力が抜けて
しゃがみこみそうになるけど、どうにか耐えた。

ただ話してただけなのに、息が上がってる。

と、なり…って

純喜くんの言葉がグルグルしたまま、
みんなでスタジオを出た。

社長のお気に入りらしい居酒屋に着いて
中に入るとお客さんは誰もおらずガランとしていた。

『今日は貸切だから、みんないっぱい食べて！』

社長の奢りだからね、と
ウィンクをされ苦笑いで答えておく。

貸切なんて…もう前から来る予定だったんじゃん。

大きなテーブルが2つあり、
先にお店に入ってたメンバーはみんな
そっちに固まって座っていた。

……隣、なんていうからちょっと期待してた自分がいて
ほんの少しだけ寂しくなる。

そりゃ、そっか。

メンバーとスタイリストでそれぞれ分かれて
テーブルに座った。

純喜くんの方を見ると、
隣に座っている木全さんと

これうまそ〜！！とメニューを見て喜んでる。

SR「A、どれにする？私はね〜」

「…ソラ食べ過ぎはダメだからね」

SR「え〜なんで？社長の奢りだよ？遠慮なんてしないでいいんだって！呑んで食べまくろ〜！！」

さっきまで浮かない顔をしていたとは思えない。

ソラの食い意地は凄いし
座右の銘は食べること。くらいの勢いだから
この子を自由にさせるのはちょっと心配だ。

そうして運ばれてきた料理が
半端じゃない量だったことは言うまでもない。