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ロビーに近づいてきたとき
既にみんなは立ち上がって行こうとしている所だった。
あともうちょっとの所で
純喜くんが後ろを振り返る。
「？」
純「A、泣いたやろ」
「…えっ」
純「気付いてんで、泣き虫なんやから、もう一人で泣くなや」
目もほぼ充血してないし
バレないと思っていたのに…
純喜くんはいつもすぐ気づいてしまう。
「…泣きそうになったら、れんらくする」
純「はは、よう分かってるやん、でもそれやとめっちゃ連絡きそう」
「いやなの…？！」
純「嘘、なんぼでもして、嬉しいから」
そういってまたスタスタと歩いていってしまう。
あの時の言葉、調べたよ。
こういう時に使うんでしょ？
純喜くんってずるい＿＿
ドキドキさせて自分は余裕なんだから。
みんなの元に着くと、
純喜くんはバシバシ叩かれて怒られてた。
豆「遅いです！」
純「ごめんやん〜豆〜」
蓮「あと拓実に謝って、もう散々聞かされたんだから！」
純「拓実ごめん、許して？」
拓「……チョコ買ったら許してあげる」
純「子供か」
拓「あっ！もう許さへん」
結局 喧嘩しちゃう二人に笑いながら
賑やかな雰囲気で、彼らを見送ることができた。
手を振りながら遠ざかっていく姿を
じっと見つめる。
次会う時まで、私のポケットに入っている
彼の連絡先が勇気をくれた。
EB「A、なんかいい感じ？」
「いい感じって…」
ZA「朝死んでたのに、また女の顔してる」
SR「キャー！ジア、よく言った！」
「からかわないで！」
HW「なんかこの会話懐かしいね」
みんなに出会った時を思い出した。
そういえば私 一目惚れみたいな所あるんだなあ、って。
あのグイグイきてた純喜くんを思い出した。
EB「最後の別れじゃないのに、ほんと悲しがってたね？A」
HW「二人見てるの面白かったなあ〜」
SR「可愛かったよね」
「…最後じゃなくても、ずっと会えないの辛いじゃん」
ZA「…珍しい、そんなこと言うの」
「………ってもう！この話はいいから！」
こんな所で立ち止まってたら
いつまで経ってもからかわれ続けちゃう。
みんなを置いて駐車場に向かうと
後ろから かわい〜なんて茶化した声が聞こえてきた。
それでも今は平和だ。
彼を笑顔で見送れた、それだけでよかったと思えるの。
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作者名：ナビ | 作成日時：2021年9月10日 18時
