恋に落ちたら (ページ8)

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純喜くんを椅子に座らせて
鏡越しに目を合わせた途端ウンビの話を思い出す

…っ、やばい、ドキドキしてきた

さっきまで拓実くんには普通にできたのに
手の震えも止まらないし、冷や汗が背中を伝う

……緊張する

純「緊張？ほんま？笑」

「…えっ」

純「え？」

嘘、やばい、声に出てた。

顔真っ赤やんって言いながら
目尻にシワを作って、ふわっと笑う純喜くん。

…その笑い方、ほんとにずるい。

「スキンケア、していくからっ」

そういうと、少し微笑みながら
目を閉じてくれた。

コットンを頬に当てて滑らせていく。
触れる指先が暑くて、かすかに震えてる…

どうにかこうにか無事スキンケアを終えて
次にファンデーションの色決め。

うーん、と悩んでいるとなあなあと呼ばれた。

純「Aは、プデュ見てた？」

「あ…プデュは、JO1のスタイリストに決まって、皆を知りたくて、みたよ」

純「え！嬉しい！」

「…うれしい、の？」

そら嬉しいわ〜って、純喜くんはすぐ喜ぶし
それを素直に言葉に表すから、面白い。

純「応援してた人とかおらへんかったん？」

「…あ〜それは

河野、純喜くん…」

純「え？！俺？！」

急に振り向くから危うくパレットを落とすところだった

よほど嬉しいのか、目をキラキラさせて
私を見てくる。

……わんちゃんみたい、ブンブン振ってるしっぽが見える。

「歌、すきだよ。あと韓国人に、にんきある」

純「あ〜その話友達から聞いた、めっちゃ嬉しい」

「純喜くん、韓国人顔だから」

純「そんなん言われたことなかってんな〜」

近くで見れば、余計わかる。

キリッとした目にシュッと通った鼻。
骨格もしっかりしていて、無駄がなくて綺麗。

かっこいい、素直にそう思うもん。

ファンデーションの色味も決まったところで
ブラシを肌に滑らせていく。

彼の肌もまた綺麗、本当に羨ましくて泣けてくる。

メイクを進めながらも純喜くんは
ゆっくりなペースで話しかけてくれる。

でもそれがむしろ心地よかった。

気づけば

純「もう緊張してへんな」

「…え、」

良かった、って微笑まれる。

……なにそれ、

「…그게 뭐야… 너무 멋있잖아…」

純「え？なんて？」

「…なんでも、ないっ」

えぇと頬を膨らませて怒ってらのが可愛くて
少し笑ってしまった。