鬼になった柱 (ページ8)

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鬼にして鬼にあらずページ8

癖なのか無意識に足音を立てないので、産屋敷家についても大体バレることはない。

が、しかし今回は

「廉牙さん！」

「不死川くん」

すぐばれた。

「鬼を全て否定するようなこと言ってすみません」

「いや、君たちは正しいよ。逆にあれぐらい言わないとね。あの子の覚悟をはかることはできなかった」

ありがとうねともう一度礼を言うと、こくりとうなずいた。

きっとあの時僕がいなくてもあとで謝りに来ていたのだろうなと予想を立てる。

変なとこ律儀だけど、それほど信じてくれていると思うと嬉しい。

最初の頃はピリついていたけれど、玄弥くんを保護したと報告したらめっちゃ丸くなったもんね不死川くん。

保護して耀哉くんに報告したあと不死川くんに引き渡すと、その日のうちに自分の屋敷へと連れ帰り2人の時間を楽しんだのだと言う。

その日の見回りは僕が引き受けたんだよ。

鬼を食べようとしてた瞬間、つまりは食べる前を保護できたから良かったものの、食べていたらと考えると生きるためとはいえそうせざるを得ない状況に落ちいらせてしまったことは鬼殺隊として悔やむべきことだし、不死川くんは弟が鬼になりかけたということが相当きていたらしくお説教を半日していたらしい。

今は2人仲良く風柱邸で暮らしている。

玄弥くんは隠でもなくただ単に風柱邸に住み込みで、といっても2人は家族なのだから住み込みもくそもなく兄弟で暮らしていると表現でき、掃除や洗濯、ご飯作りに勤しんでいるのだとか。

時々兄弟揃って手紙が来るんだけどお互いがお互いのことを休ませたいだとか苦労をかけているだとか書いててやっぱり血のつながりがあるのだと微笑ましくなった。