鬼にして鬼にあらず ページ26
疑問を浮かべる柱たち。
実はね、と参と戦った時本気ではなかったことを伝えた。
まずひとつめ、あの札を貼っているとき普段の動きならいいものの上弦と1対1みたいなあまりにも激しい動きをすると剥がれてしまう恐れがあったため、思うように動くことができなかったこと。
ふたつめ、上弦の視界は流石に鬼舞辻が眼を光らせていると思ったから極力怪しまれぬよう札の効力で鬼としての力を抑えていたこと。
参であれなら弐まではいけると思う、と言ったのだ。
しかし、これには否の部分もある。
「でもね、上弦となるとさっきも言ったように鬼舞辻が目を光らせていると思うんだ。だから弐と戦う時、正体がバレるかもしれない。極力取っておきたいんだ」
柱でもないのにあんなに目立って、もうすでに目をつけられているとしても。
鬼舞辻を倒すその時まで。
「カナエ姉さんを助けてくださいました」
少しの沈黙を破ったのは怒りを静かに抱えたしのぶちゃんだった。
「私、その時誓ったんです。恩返しのためにもカナエ姉さんを殺そうとした天罰を下すためにも、私が撃つと。カナヲに姉として撃つことを任せるわけにはいかないから、そんな危険なことはさせられないから」
だから弐の時は自分に相手をさせて欲しいと、そう言った。
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作者名:重刄 | 作成日時:2020年10月24日 12時