鬼にして鬼にあらず ページ21
いくら鬼をやっていようともこの型は初めてなのだろう。
初めてでなければ何を見たという話で、それこそ僕の血鬼術を僕以外が使うしかない。
目を剥いたがすぐに体制を整え、連打してくる参に対抗するように斬撃を繰り返す。
この型は矢が降り注ぐように何回も斬撃を与える技だ。
数なら対抗できるし力ならある。
これで凌げなければ自分の体で受けて立つしかない。
いくら鬼で通称をのければ元柱であっても、現役の参の攻撃は効くもので何発かを体に受けた。
それで一番の重傷と言えるのは目を潰されたことだろう。
左目を潰されたから視界が悪くなって、しかも痛みのせいもあり鳩尾と胸に攻撃を許してしまった。
実はあの2人が作ってくれた札は、懐に入れている間鬼とバレないようにすること、後もうひとつ効力がある。
怪我を治させないことだ。
上弦の視界となると流石に始祖も目を光らせているはずで、少しでも怪しまれないようにと頼んだのだ。
久々に味わう人間味に口元がにやける。
それを何と勘違いしたのか参も笑い、やはり鬼になれと勧誘をしてくる。
なおも続く攻防戦。
やっと鎮まったと思うと煙が開けたその先には参の腕が胸に貫通していた。
煉獄くんのときは鳩尾を狙ってきたからそこを重点的に守っていた。
そのせいか、あの時とは違う位置を刺された。
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作者名:重刄 | 作成日時:2020年10月24日 12時