鬼にして鬼にあらず ページ16
煉獄くんからどこへ向かっているかとかは全て聞いているからいいものの、随分離されたようでまだ見えない。
片目をつむって煉獄くんの未来を見ると切符を切ってから意識が落ちていくところだった。
これから起こることを見たのでまだ起こってはいないのだが、さてここから全速力で走ってどれくらいになるだろうか。
上弦の参が現れた時点では起きているから多分大丈夫だとは思うけど。
異色さを隠すために隊服を支給してもらったんだけど、あの服に慣れちゃったからちょっと違和感があって走りにくいなあ。
そんなの気にしてる場合じゃないってことはわかっているんだけどさ。
そんなこんなで走っていると列車の煙が見えた。
夜だからか昼間よりも活力が湧き、いくら息切れしないとはいえ後一息だと踏ん張ることがいつもよりも軽く感じた。
列車後方に飛び乗った瞬間、違和感を感じた。
なんだこの列車。
無機物、有機物に関わりなく僕の気は周りのものと同調しようとする。
しかし鬼の何かが混じっていると途端に反発しあう。
だから鬼や気が悪い、つまり悪人が触れているような街にあるものや家よりも関わりようのない自然で療養している。
この列車からは鬼の気がする。
しかも並の鬼と比べてかなり強いと思う。
それでも、上弦ほどではないけれど。
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作者名:重刄 | 作成日時:2020年10月24日 12時