お砂糖お爺ちゃんとお塩SUGA

やだ ページ15

とりあえず会いたくないという言葉にほっとする一同


「なんで近づきたくなかったの？」


そう、次はその疑問だ

ジミンが問うた質問にユウは


「その、引かないでくださいね？」


そう言っておもむろに紺色のチュニックを脱ぎ出した

え

え？

突然のことにびくりと肩を揺らす

恋をした相手ではないにしろ、大好きな人が起こす突然の行動に兄弟たちも驚いていた

チュニックを脱いだのを見て、思わず目を瞑る

いや、脱ぐところを見るなって話なんだけどさ、うんそれはわかってる

なんとなく目が離せなかった

見てないから

まず腕を中に戻してから首を抜いて前に服を引っ張るタイプの人だったから中は見てない


「みなさん？なんで目をそらすんですか」


あなたが脱いだからですよ

なんて返せるわけもなく、そのまま沈黙が続く

え、どうすればいいの？


「あっ、下ちゃんと着てますから！」


ゆっくりとそちらを向くと、言った通り黒のTシャツが

チュニックは貰い物なのだが、プレゼントをした側のミスでかなり緩めのサイズだったらしく、下に何か着ないとだめになってしまったのだとか

ひょいと見せられたその手首や腕には大量のサロンパスが貼られていた

背中と腰、足首にも貼っているのだとか

強いスーッとする匂いが鼻につく

驚きでつい、ぽろりと言葉が漏れる


「…まさかとは思うけど」

「そのまさかです。えへへ」


恥ずかしそうに笑うユウの口から語られたのは、大方俺の想像していた通り

まぁ、要するにサロンパスの匂いを嗅がれたくないから近づいて欲しくなかったんだ

やだ→←やだ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す