ー ページ2
「重いんすけど」
「ええやん。減るもんやないし」
膝枕してもらってます。
Aが椅子に座ってたから、ありがたく。
最初はビックリしとったけど、基本何も言わへん。
「皆見てますやん」
「知らーん」
「わたしばっかに構わくんても」
「俺が構いたいからしゃーない」
渋々といった様子で、手元の本に視線を戻す。
何読んでんかと思ったらめっちゃミステリーやん。
怖ないのかな。
「寝ます？」
「なんで？」
「昨日生放送やったじゃないですか。夜中まで」
「見てたん？」
「見てませんよ。寝てました」
本を持ってない方の手で俺の目元を覆う。
Aの体温ってなんでこんな丁度いいんやろ。
Aとセンの小さな話し声が心地よくて、意識を手放した。
「リリーさーん」
「ん、？」
「もーちょいですけど」
「ああ、」
時計を見ると、30分くらい経ってた。
何故か右手が繋がれていて、名残惜しいけど手を解く。
気合いを入れて体を起こす。
Aはドタバタと何処かへ行った。
盛「お前よく寝るな」
「気持ちいいやん。Aの体温」
盛「俺知らんのよ」
「そっか」
実は移動車で寝とったけどな。
Aの気遣いか嬉しくてまた寝てしまった。
戻ってきたAは、俺の方に駆け寄ってくる。
「だいじょぶそですね」
「ありがとな」
「これいります？飴ちゃん」
「大阪のおばちゃんやん笑、ありがたく頂いとくわ」
へらっと笑ってセンの所へ行ってしまった。
あの笑顔には不思議なパワーが宿っとるのかもしらん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねりね | 作成日時：2021年10月10日 23時
