Episode.10 ページ10
【マレウスside】
<茨の魔女の城 マレウスの部屋>
マ「………うっ、腹が」
どうしてリリアの作ったものは、
毎回あんなに不味いのだ。
レシピ通りに作れば問題ないはずだが…。
しかもこの状態で溜まっている書類に目を通せって、
エリザベスは鬼か!いや、悪魔だな。
マ「流石にもう限界だ…腹が死ぬ」
僕は一度作業を止めて、ソファーに寝転んだ。
マ「はぁ…」
コンコンッ
マ「誰だ」
?「アンドリューです」
マ「入れ」
ガチャッ
マ「アンディ。すまないが、扉の鍵を閉めてくれ」
アンディは扉の鍵を閉めると、
僕の寝ているソファーの近くにある椅子に座った。
ア「…まったく。自業自得だぞ、マレウス」
マ「エリザベスを怒らせる度に、
リリアの手料理を食べさせられるんだ。
これはどう考えても拷問だろう…」
ア「まぁ、100%お前が悪いからな。
お前も少し学んだらどうだ?子供じゃあるまいし…」
マ「…アンディ、回復薬持っているか?」
ア「必要だと思って持ってきてやったぞ、感謝しろ」
マ「…ん」
僕は回復薬を飲んだ。腹痛は嘘のように消えた。
マ「ふぅ、助かった。では、本題に移ろうか」
マ「アンディ、君に頼みたいことがある」
マ「A・クロウリーの"両親"について
調べて欲しい、王立図書館のpassは渡す」
ア「…ヴェラとヴィンセントについてか?」
マ「違う…"本当の"両親についてだ」
ア「……………」
マ「Aはどちらにも似ていないし、
そもそも妖精族の耳の形をしていなかった…」
ア「…すまないが、今回は協力出来ない」
マ「何故だ!何か知っているのか!?」
ア「…知っている」
マ「ならば教えてくれ、彼女の本当の両親は誰だ!」
ア「……………。
あれは、6年前の寒い冬の日だった…」
アンディは、淡々と話し始めた。
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作者名:ひとみ | 作成日時:2020年6月18日 9時