Episode.09 ページ9
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＜茨の魔女の城 アンディの小屋＞
ア「お待たせしました、こちらです」
アンディさんが持ってきたのは、
白い薔薇だった。
マ「アンディ、"アレ"をやってくれないか？」
ア「分かりました。では、Aさん。
この白い薔薇を持っていてください」
私はアンディさんから白い薔薇を渡された。
ア「いきますよ…１、２の３！」
アンディさんが指を鳴らすと、
私の持っていた白い薔薇が青色に変化した。
『すごい…！』
マ「アンディは花の色を変えることができるんだ」
ア「大したことではありませんがね…」
『アンディさん、すごいです！
お花の色を変えることが出来るなんて…』
ア「あはは、ありがとう」
ア「そうだ。
Aさん、ローズティーは好きかい？」
『はい、お家でお母様がよく作ってくれます』
ア「ちょっと待っててね。すぐ持ってくるから」
マ「手伝おうか？」
ア「坊っちゃんは座っててください。
これ以上カップとソーサーを割られると困ります」
マ「っんな！今言う必要ないだろう…」
ア「二人とも、ソファーに座ってて下さい」
私はソファーの端っこに座った。
マ「………もう少しこっちに座ったらどうだ？」
マレウス様は自分のすぐ隣のスペースを
トントン叩きながら言った。
『……………』
私はマレウス様のすぐ隣に座り直した。
マ「良い子だ」
マレウス様はそう言うと、私の頭を優しく撫でた。
ア「ローズティー、できましたよ」
『綺麗な色…』
ア「付け合わせにクッキーも用意したから、
良かったら食べて下さいね」
『いただきます』
私は、ローズティーを一口飲んだ。
アンディさんの淹れたローズティーは、
口当たりがまろやかで、とても上品な香りがした。
ア「お味はいかがかな？」
『とても優しい味で美味しいです！』
ア「それは良かった」
しばらく三人で談笑していると、
小屋の扉を叩く音が聞こえた。
アンディさんが扉を開けると、
そこには、お母様とお父様と…
鬼の形相をしたエリザベスさんが立っていた。
母「良かった！！！ここにいたのね！」
父「心配したぞ？A」
『勝手にあの場を離れてしまってごめんなさい…』
母「いいのよ、見つかって良かったわ」
エ「マレウス様。
リリア様の手作りクッキーを召し上がるか、
大量に溜まっている書類に目を通すか、
どちらかお好きな方をお選び下さい」
マ「………後者で」
エ「前者ですね、かしこまりました」
マ「…待ってくれ、エリザベス！」
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作者名：ひとみ | 作成日時：2020年6月18日 9時
