勘違い男 -前編- ページ45
ーある日の放課後ー
<1階 廊下>
マ「あれは…」
寮へ帰る途中、ふと中庭を見ると
りんごの木の近くにあるベンチで
Aが読書をしていた。
リ「…話しかけたらどうじゃ?マレウス」
マ「……………」
僕はAに気づかれないように
そっと近づいた。
?「Aー!!!」
マ「!?」
僕は咄嗟にりんごの木の後ろにある茂みに隠れた。
?「遅れてごめん!待った?」
『ううん、全然大丈夫だよ』
?「はぁ〜〜〜疲れた」
Aの横に座った男…見覚えがあるな…。
あの赤毛は…トラッポラか。
?「薬の調合に時間かかっちゃってさ〜」
『もしかして…変身薬を作る実験?』
?「そう!デュースがヘマしたおかげで、
クルーウェル先生に怒られて最初からやり直し!」
『それは大変だったね 苦笑』
エ「で、話って何?」
『あのね…ちょっと付き合って欲しいの』
…ガサッ
エ「え、なに今の」
『…どうかした?』
エ「いや、そこの茂みが一瞬動いたから…」
『何か動物でもいたんじゃない?』
エ「そっか…」
『ビビりだね、エース笑』
エ「うるせぇ!笑うな!」
『付き合ってくれるでしょ?』
エ「もちろん!」
『ありがとう』
Aはそう言って
トラッポラとどこかへ行ってしまった。
マ「……………」
リ「どうした?マレウス」
廊下で待っていたリリアの元に戻ると
心配そうに僕の顔を覗き込んできた。
マ「…寮に戻るぞ、リリア」
リ「…そうじゃな」
リ「(嫉妬に満ちた顔をしておるな…)」
リ「(今夜は雷が鳴るかもしれんのぅ…)」
281人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひとみ | 作成日時:2020年6月18日 9時