Episode.38 ページ38
【マレウスside】
−同日同時刻−
＜学園長室＞
ガチャッ
学「どうしたんですか？ドラコニアくん」
マ「お前も気づいているはずだ、クロウリー」
マ「Aが"あの事"を知った」
学「………。
"アレ"にはちょっとした細工がされていました」
マ「細工…？」
学「あの箱を開ける時に使う呪文には
"時を進める"という意味が込められているんです」
学「Aさんはあの箱の中身ではなく、
おそらく原本の方を読んで知ったのでしょう。
でなければ写本を燃やしたりしませんよ」
マ「僕が書庫へのアクセス権を与えたんだ。
Aが読書が好きと言っていたから、
色々な本を読めるようにと思って…」
学「そうだったんですね」
マ「こういう形で使われるとは思ってもみなかった」
学「"少女が自らの運命を悟った時、
長きにわたり閉ざされていた扉が再び開く"…」
マ「"我々は貴女の還りを待っている"…」
学「"雪の女王伝説"、お読みになっていたのですね」
マ「"アレ"がAの運命なのか…？」
学「おそらく」
学「しかし困りましたね…」
学「彼女の魔力はいまだに増え続けている。
魔力が増えすぎてしまうと色々と問題が…」
マ「オーバーブロットのことか？
それなら大人達の力で…」
学「それは不可能です」
マ「どういうことだ？」
学「ドラコニアくん。よく考えてみてください。
小さなアリが大きなゾウに力で勝てますか？」
マ「…無理だな」
学「Aさんと同等の魔力を持つ者がいない限り
オーバーブロットした彼女を止める事はできません」
マ「なら"ここ"で面倒を見たらどうだ？」
学「…はい？」
マ「僕の目の届くところに彼女を置いておけば、
万が一の時に対応出来るかもしれないだろ？」
マ「それに…
この学園には"ディア・クロウリー"がいるしな」
学「…ちょっと席を外しますね」
マ「クルーウェルなら授業中だぞ？
放課後にしたらどうだ？」
学「…貴方がここにいるから、
授業中だということを忘れていました 苦笑」
学「ところで、
ドラコニアくんは何の授業の途中でここに？」
マ「魔法薬学だ」
学「……………。
クルーウェル先生の授業じゃないですか！！！」
マ「そろそろ戻らないと怒られるかもな」
学「早く実験室に戻りなさい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひとみ | 作成日時：2020年6月18日 9時
